木を隠すなら森の中。死体を隠すなら死体の山の中。蓮実は元々生徒全員を殺そうなどとは思っていませんでした。
予定外の死体を隠蔽するにはクラス全員殺してしまえばいいのだと思いついた蓮実。
本来は死ぬ予定でなかった女子生徒に死の理由をつける為に無差別殺人を思いつく蓮実はかなりの異常者です。
あの女子生徒にバレなければ安原殺害で止まっていたはずですから、蓮実の犯行は永遠に世に知られなかったかもしれません。
殺人の隠蔽計画が狂った代償はあまりにも大きいものでした。
「次のゲーム」の意味
気がふれた蓮実の演技を見て片桐が呟いた「次のゲーム」とは一体何のことだったのでしょうか。
裁判ゲーム
殺人ゲームの次に蓮実が予定しているのは精神異常で刑を軽くするゲームかもしれません。
普通ならあれ程の人数を殺した蓮実は死刑や無期懲役になるはずです。
しかし日本では責任能力の有無で罪が軽くなることがあります。
逮捕された途端に精神異常者のフリをしだしたのですから、裁判ゲームに向けての準備を始めたのではないでしょうか。
とっさに量刑に考えを巡らせる蓮実の判断力はさすがです。
生き残った生徒を殺すゲーム
クラス全員殺す計画だったのに2人の生存者が居たことを知った蓮実。
出所後にこの生存者を殺すというゲームを思いついたのではないでしょうか。
そしてそのゲームはもう始まっていて、死刑や無期懲役を回避するという準備を着々と進めているのです。
「次のゲーム」が裁判ゲームであれ生存者を殺すゲームであれ、蓮実に巻き込まれた人物は死ぬまで恐怖を味わうでしょう。
また蓮実には殺人を含め全てがゲームに見えていることがこのラストシーンで分かるはずです。
ですから殺す動機なんて彼にとって重要ではないのかもしれません。
意味が分かるとさらに楽しめる
映画版の悪の教典は、蓮見の思考回路に対して明確な描写がなされていないません。
そのためいったいなぜ彼が殺人を犯すのかについては分かりづらいものになっています。
その結果、蓮見がシリアルキラーであると勘違いしてしまっている人も多いでしょう。
悪の教典は原作の内容や作品の背景を知ることで、単なるサイコホラーではないことを知ることができます。
是非原作や関連作品を把握した上で、もう一度作品を見てみてください。