生き馬の目を抜く激しいレストランでの修業の日々に彼の挫折と成長は裏打ちされています。

サリヤにかかる様々な壁

そしてまた、サリヤにかかる大きな壁には様々なメタファーが散りばめられています。

決してただの成長物語に終わらせていない本作の背景に隠れた構造を読み解いてみましょう。

原題の意味

本作の原題はMein Blind Date mit dem Leben、英訳するとMy Blind Date With Lifeです。

ここからまずサリヤの生き様が二重の含みをもって示されているといえます。

一つが直訳のブラインドデート、マックスの紹介でサリヤとラウラが付き合うということ。

そしてもう一つ、これが一番大事ですがBlindとは「先が見えない」ことの比喩ではないでしょうか。

一流ホテルでの研修の日々もラウラとのデートも先がどうなるかなんて全く彼には見えません。

サリヤが自身の盲目を抱えながら真に戦っていたのはこの「先が見えない人生」なのです。

障害と騙し

ハーフのサリヤやアフリカ難民の元医者ハミードなどを通して「障害と騙し」の構造も見受けられます。

サリヤの盲目で表現される「障害」は実は誰しもが抱える短所・欠点の一つなのです。

そして彼がその障害を隠すための「騙し」は生きていく上での小さな傷や痛みの象徴でもあります。

つまり、サリヤの半生を通して描かれているのはそうした人間社会の現実の正体ではないでしょうか。

大事なのはどのようにしてその障害と向き合い人を騙さずに生きていける強さを身につけていくのか?

サリヤがマックス達とも共に向き合うのはそうした本質的な部分なのです。

手放すことの大切さ

やめればやめるほど、僕らは自由になっていく。っていう素敵な法則を知ってるかい?

サリヤが挫折からの再起を果たしホテルの合格を蹴る様は「手放すことの大切さ」もあります。

人生に必要なものなんてそんなに多くはなく、本当に大切な物はまた戻ってくるのです。

彼は自分がしがみついていた嘘や様々な柵を手放すことでかえって自由となることが出来ました。

そしてその結果ラウラという本当に大切な人がまた自分の元に帰ってくるのです。

やめればやめるほど人は自由になっていくという法則が実は世の中に存在しています。

5パーセントの奇跡が起こる理由

DDDD[ドゥドゥドゥドゥ]──「行動」だけが奇跡を起こす

邦題では「5パーセントの奇跡」と書かれていますが、決して特別なことではありません。

サリヤは盲目という障害を抱える中で自分と向き合い、行動に移しただけなのです。

大事なのは最後まで諦めず実行し続けるか否かで、それ自体は誰にでも出来ます。

そしてまたそれを実現可能な環境や仲間があることもサリヤの恵まれた点でしょう。

環境(仲間)×想い×行動力、この掛け算で5パーセントの奇跡は起こすことが出来るのです。

一流になりたければ一流の思考になれ

アンドリュー・カーネギー×ナポレオン・ヒル 一流の思考 [前編] (日本語) 単行本

盲目という障害を抱えながらも一流の人間としてサリヤは見事大成しました。

彼がそこまで大成したのは何よりも潜在意識での思考のレベルが一流だったからです。

サリヤもマックスも大成したのは良い意味で常識や普通の概念に囚われていません。

寧ろ普通じゃない考え方や生き方が出来るからこそ一流になれたといえます。

しかし、世の中では何故か多くの人が常識や普通に縛られて思考の枠を外せないままです。

そのような考えを見事に打ち破ってくれた本作は大事な人生のエッセンスが沢山詰まっています。

是非皆さんもこの映画を見て一流の思考・行動とは何かを学んでみてはいかがでしょうか。