ちなみに、ヒットソングの起用という大胆な手法と、洗練されたミックスが話題を呼び、今作のサウンドトラックはグラミー賞にノミネートされるほどのヒットを記録しました。
「リミックス」ヒットの秘密は世界観の一貫性
こだわりだらけの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」ですが、その意思は次回作である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」でも十分に感じられます。
根詰めない「ゆるい」演出が憎い
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」も前作同様の大ヒットを記録しましたが、その秘密は作品の一貫性を崩さなかったことといえるでしょう。
事実、「リミックス」は前作にあったこだわりポイントが守られて制作されています。
結果、キャストの友情、セットを使った世界観構築、シリアスシーンにおけるポップソングなど、核になる要素に一貫性が生まれました。
大ヒットを記録した作品の2作目となると、プレッシャーから新しい手法を取ったりする作品も多いです。
そんな中、ジェームズ・ガンは肩肘張らず、自身が作り出す世界観を信じ、「リミックス」を制作しました。
制作陣が根詰めずに、楽しんで作ったことが滲み出ているからこそ、観る側の人間に対して安定した面白さを与えることができ、ヒットに繋がったわけですね。
ベビー・グルートというキーキャラクター
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」で大人気となったベビー・グルード。
実はベビー・グルードは原作には登場しません。
原作では、前作で爆散したグルードはただの小枝となり、ロケットに回収されて育てられたことにより、グルートとして復活します。
しかし、赤ちゃんになったらかわいいというジェームズ・ガンのアイデアによりベビー・グルードが誕生し、「リミックス」でも成長せず、そのまま登場しました。
監督のアイデアで生まれたベビー・グルードは、シリーズのマスコットキャラクターとして人気を博し、映画ヒットの大きな要因となったのです。
独自のアイデアで作品を代表するオリジナルキャラクターを生み出すところに、ジェームズ・ガンのクリエイターとしての地力が伺えますね。
こだわりを体感しながらもう一度観てみよう
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はヒーローを取り上げるマーベル作品の中でもかなり異質で、セオリーから外れている部分もたくさんあります。
ヒーローらしくないヒーローを題材とした映画として、完成度を高めるために相当なこだわりを持って制作されたことが分かったのではないでしょうか。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のヒットも相まって、ジェームズ・ガンによるこだわりの手法は盤石のものになったといえるでしょう。
音楽やセットものの造詣美、グルードの声の機微など制作陣のこだわりを感じつつ、もう一度観直してみるのも一興ですね。