そこに現地の調査隊らしき人が、CJと父親を制止するようにこのようなセリフを語りました。
誰かがこの墓を荒らせば終わりが来る
引用:ナイトミュージアム/エジプト王の秘密/配給会社:20世紀フォックス
墓を荒らし、石板やミイラを持ち帰ろうとしてしまうと、終わり=世界の破滅がやってくるのです。
それにも関わらず石板やミイラは荒らされ、移動させられていると考えると、どこかで呪いによる「終わり」が来ます。
その序章が石板の力が消えていく現象なのです。映画の設定上ではこのように考えられます。
しかし映画内のCJの父親のような行為は、現実世界でも起きているようです。
力を失った石板の先にあるもの
大英博物館やラリーが働いていた自然史博物館、その他さまざまな博物館で古代エジプトに関する物は展示・保管・研究されています。
しかしそれらはもともとエジプトにあったもの。これまでの歴史の中で、各国がエジプトから持って帰った物も多くあります。
大英博物館に所蔵されている神聖文字(ヒエログリフ)で有名なロゼッタストーンも、ナポレオンが持ち帰ったものです。
現在エジプトは、それらの物を「返して欲しい」と世界中に発信していますが、さまざま事情から返却は行われていません。
エジプトで発掘された物がずっと海外に盗み出されていると「終わり」がやってくる。
その終わりの序章が石板の力がなくなることであり、もしかすると将来的にはもっと大きな「終わり」がやってくるのかもしれません。
コンスは「罪人に制裁を与える役割」があります。この時制裁を与えられるのはもしかすると、人間なのかもしれません。
ラストで動く展示物たち
映画ではアクメンラーと石板を大英博物館に置いてきたはずです。
つまり、石板の効力がニューヨークの自然史博物館に及ぶことはあり得ません。
それにも関わらず、自然史博物館の展示物たちは動いていました。ラリーも仕事を辞めているはず。一体なぜでしょうか。
大英博物館との共同展示
石板がなければ展示物は動けません。つまり、ラストのシーンでは石板がスミソニアン自然史博物館にあるのです。
なぜかというと、自然史博物館と大英博物館が共同展示を行っているから。
映像の中にもしっかりアクメンラーの姿がありました(DJをやっている)。
「展示物が動くのは夜」「石板の力が及ぶ範囲でないと展示物は動かない」これらの設定は最後まで破られていません。
大英博物館の館長も石板の能力を知る
ラストシーンには、大英博物館で警備をしていたティリーの姿も映っています。
その際ティリーは、大英博物館の館長から預かったとされる石板を自然史博物館の館長に渡しました。
石板の秘密を守って欲しい
引用:ナイトミュージアム/エジプト王の秘密/配給会社:20世紀フォックス
この言葉からも大英博物館で働く館長、そしてティリー自身も石板の秘密を知っていると思われます。
もしかすると、アクメンラーが両親そして、大英博物館の館長と話をしてこのような結果になったのかもしれません。
さらにティリーはネアンデルタール人のラーと3年ぶりに再会し、ずっとここにいるかのような発言をします。
そうなると、アクメンラーや石板もこのまま自然史博物館にあり続ける可能性も見えてきます。
石板の秘密はこれ以上語られない…
『ナイトミュージアム』シリーズは本作で完結と見られています。
キャッチコピーにおいても最終章を語っているし、何よりセオドア・ルーズベルト役のロビン・ウィリアムズが亡くなりました。
映画内でも重要な役割だっただけに、俳優を替えることもできないと思われます。
シリーズを通して一番重要な秘密であった石板は、映像としてはこれ以上多くは語られません。
つまり、本記事のような考察による内容でしか石板の秘密、そして展示物の騒動の理由は解き明かされないのです。
石板の秘密には、シリーズ内の描写だけでなく、古代エジプトを舞台にした背景が潜んでいました。
月の神コンスやエジプトの歴史、それらと絡む展示物たちの歴史が折り重なると新たな発見があるかもしれません。
2000年以上の歴史という材料があるだけに、新たな発見は山ほど出てくるでしょう。
それが『ナイトミュージアム』が私たちにかけた魔法です。