ダルマ人形と吉田の共通点がここにあるようです。
裏の世界でのし上がってきた吉田は、多くの敵から攻撃を受けてきたはず。それでも吉田は生き延びました。
倒したと思っても生きている存在が吉田であり、これが「ダルマ」と呼ばれる所以なのではないでしょうか。
達磨大師
ダルマの大元は達磨大師だといわれています。
達磨大師は長い年数座禅をしていたため、手足が腐ってしまったという逸話が残されているそうです。
そのためダルマは丸い人形になりました。この手足が動かない姿は、吉田を思い起こさせます。
吉田は臓器移植しないと死んでしまう状態。満足に体が動かないのです。
それに加えて達磨大師は後世に名を残す偉人である点も見逃せません。
もし達磨大師と吉田をリンクさせるのであれば、裏社会のドンである吉田が死後も引き継がれる存在であることを示唆しているように思われます。
こんな裏社会のドンと公安警察の倉木が対決することになるのですが、彼らの接点は何なのでしょうか。
なにやら倉木の過去に答えがありそうです。
倉木の過去の真相を知る者は誰?
倉木は吉田とその側近である高柳に過去の真相を聞かされ、驚愕しました。
自分の知らないところで、すでに吉田に人生を弄ばれていた倉木。
本来部外者であるはずの吉田と高柳が、過去の真相を知っていて、当の本人だけが蚊帳の外だったのです。
ですが吉田の本命は最初から倉木で、千尋は倉木をおびき寄せるための歯車であり、最初からすぐ殺す予定だったのでしょう。
そう考えると、倉木自身が妻子の死の原因だったとも考えられます。
自分のせいで最愛の家族を失うことになった倉木。そんな真相は知らない方が幸せだったのかもしれません。
倉木の過去を明かした吉田は、彼に向かって別れの挨拶を述べます。なぜ最後の一言を残したのでしょうか。
吉田が放った「夢で会おう」の真意
逃走を図った吉田が、倉木に放った最後の言葉は謎に包まれています。
お互いに生きていれば、また顔を合わせることになるでしょうから、夢で会わなくてもいいはずです。
なぜ吉田は「また会おう」と言わなかったのでしょうか。
夢に現れるダルマを示唆
映画の最初の方で“夢に現れるダルマ”の話が出ましたが、吉田はそれをさらに印象付けるように夢での再会を約束しました。
倉木は歯車になることを拒絶し、吉田と対立しましたが、吉田はそれさえも見越していたのだと思われます。
直接勧誘しても従わないのならば、夢に現れてコントロールしてやる。
そんな宣戦布告のような意味が、この別れの言葉に含まれているのではないでしょうか。
意志は引き継がれる
臓器移植が成功して復活した吉田ですが、周りに火を放たれ、ヘリの操縦者は東にすり替わっている状況です。