さすがの吉田もここまで予想していたかどうかは不明ですが、かなり危険であることは察していたのかもしれません。
もしそうであれば吉田は自らの死を予感し、生きては再会できないことを暗示させたとも考えられます。
吉田が死んでも、彼の企みは誰かが引き継ぐはずです。
後継者もサブリミナル効果を利用してダルマを夢に見せるのであれば、吉田と夢であうことになると考えられます。
敵討ち失敗
吉田の死を前提にすると、もう一つの仮説も成り立ちます。
妻子の死の真相を知ってしまったからには、倉木は残りの人生を敵討ちに費やすでしょう。ですが吉田が死んでしまうと敵討ちは不可能。
悔みきれない倉木は四六時中吉田のことを憎み、夢にまで吉田を見てしまう可能性があります。
昼夜問わず憎しみという呪縛に翻弄されるであろうことを、吉田は分かっていたのではないでしょうか。
吉田の最後のセリフは彼の生死に関わらず、どちらの意味にも受け取れます。
本作では死んでいるという解釈が一般的なようですが、そうすんなりと吉田が死ぬでしょうか。
吉田の死の原因になったヘリの墜落事故について今度は考察していきたいと思います。
ヘリの墜落事故
臓器移植して元気になった吉田の最期は驚くほど早々に訪れました。
幾度となく修羅場をくぐり抜けてきたであろう裏社会のボスが、これほど呆気なく死ぬでしょうか。
吉田は本当に死んだのか
ヘリの墜落事故では三名の遺体が発見されました。
三体とも身元不明なのですが、本当に吉田が死んだのかはハッキリさせないままラストを迎えます。
彼の遺体には身代わりを使用したという可能性もあるのではないでしょうか。
重要人物には影武者が存在するという話も巷では囁かれていますし、フィクションの世界ならなおさら有り得る展開だと思われます。
東は敵か味方か
もし吉田の遺体が影武者だったとすれば、ヘリの操縦をしていた東の立場が怪しまれます。
東が操縦したヘリは吉田を無事に運び、墜落用のヘリと三名分の遺体を別に用意していたのではないでしょうか。
誰が内通者でもおかしくないストーリーですから、東が吉田側の人間というオチもあり得なくはないです。
吉田が生き延び、東が高柳の代わりになる。むしろ高柳が東の代役だったとも解釈できるのではないでしょうか。
まとめ
夢に現れるダルマの謎からスタートした映画「MOZU」は、吉田の死により幕を閉じました。
しかしその死の真相は含みを持たせてあり、全てが終わったようで、何も終わっていないように見えます。
吉田の生死に関わらず、彼の意志は新たに台頭してくるであろう人物に引き継がれ、闇社会は滅びることはないでしょう。