それはエリザベスが与えてくれた時間です。
彼女のこの行動力が無ければ集まることもなくみんな孤独の中で不安を抱えているだけでした。
なぜエリザベスは子供を預けたのか
アメリアと疎遠になってしまったエリザベスはドーシーしか頼れなかったのです。
彼女はみんなの心を支えましたが本当はとても孤独でした。
それゆえに『孤独な人』を見過ごせません。
読書会のメンバーも会が始まるまでは『孤独な人』ばかりです。
孤独の辛さを知っている彼らならキットを一人にはしないと考えたのでしょう。
病院に行く決心をした時エリザベスは自分の死を予感していたのかもしれません。
ジュリエットが婚約破棄した理由
美しく輝くダイヤモンドを見ながらジュリエットは自分の心を見つめるのです。
マーク(グレン・パウエル)と結婚すれば多分幸せな生活をおくれるだろうと考えます。
しかしマークとの結婚には具体的な幸福をイメージできない自分がいるのです。
マークはジュリエットにとって『懐かしい顔』ではなかったのでしょう。
そして婚約の破棄を決意しました。
ジュリエットはマークを愛していたのか
ジュリエットはマークに感じる『戦争は終わったのだ』という開放感が愛おしかったのです。
読書会に参加したことでダイヤの指輪もゴールドのドレスも部屋中のバラも不要なものだと悟ります。
ガーンジー島のパブでドーシーが言った『足るを知りながら大志を抱け』という言葉を噛みしめたことでしょう。
一方のマークはジュリエットの美しさを愛していました。
最後にマークは涙ぐみます。
その涙はジュリエットを失った悲しみではなく、振られた自分を哀れむ涙なのです。
ドーシーに惹かれていったのはいつから
ジュリエットがドーシーを意識したのは初めての読書会の席上です。
文通の時点では『心は通じ合っている』と思っていただけで恋ではありませんでした。
読書会で初めて顔を見たときジュリエットは『懐かしさを感じる顔』だと感じます。
その一瞬を見逃さなかったアイソラの言葉が『前世からの知り合いか?』です。
ドーシーとの結婚は誰に導かれたのか
ジュリエットとドーシーは引き寄せ合うように距離を縮めていきます。
まるで何か見えない力が働いているかのような急接近です。
ジュリエットとドーシーを結婚に導いたのは誰
ジュリエットとドーシーを結んだのは活字です。
『本が持つ人を呼び寄せる力』によってジュリエットはガーンジー島に行きました。
そしてジュリエットが書いた読書会の原稿が持つ『人を呼び寄せる力』によってドーシーはジュリエットに会いに行ったのです。
原稿がキットに捧げられていたことからジュリエットが本当のエリザベスを理解していることが伝わります。
手紙の最後をドーシーは声に出して読みませんでした。
婚約破棄のことが書かれていたことは想像に難くありませんが、後は観客に委ねられています。
本が二人の出会いを作り、手紙が恋を育みました。
それにしてもドーシーの言葉を遮ってまでプロポーズしたジュリエット。
エリザベスと同じ直情型の女性かもしれませんね。
ドーシーはなぜジュリエットを探しに行ったのか
ドーシーはもう二度と後悔したくないと強く思ったのです。