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ロザムンド・パイクが、実在した戦場ジャーナリストであるメリー・コルヴィンを演じた『プライベート・ウォー』(原題:private war)。
中東を中心とした戦場の記録を紹介する本作が、2018年に公開されたことで世界中で本当の戦場の様子を垣間見ることができました。
本作は主演ロザムンドの脇を、スタンリー・トゥッチ、トム・ホランダー、ジェイミー・ドーナンが固めます。
これらのキャストを揃え、描き出された戦場ジャーナリストのリアルは、一般人の考えが及ばないものでした。
というのも、メリーがPTSDになりながらもなぜ命をかけて戦場へ赴くのか。その強い意志はどこからくるのかが理解できません。
戦場を記者として取材した際、メリーは目に大怪我負ったことがあるのに、なぜ戦場を取材するのでしょうか。
今回はそんなメリーの強い意志の裏側を徹底的に考察します。
ジャーナリズムの鬼
『プライベート・ウォー』のキャッチコピーは「挑む女性は美しい」です。
そのキャッチコピーでもメリーを表現しきれないくらい、メリーは戦場で記者としての仕事を全うします。
記者としての仕事に命をかけるほど「ジャーナリズム」をにじませるシーンは、作品中に多くありました。
これらのシーンから、PTSDになっても折れないメリーの信念が見えてきます。
職場内ですでに強い信念を見せつける
メリーが所属しているメディアは、英国メディア「サンデー・タイムズ」です。
このメディアは、保守的思想が強い新聞で有名ですが、その中でのメリーは浮いた存在と言えます。
なぜなら、戦場の取材をするということは、戦場の悲惨さを伝えると捉えられ、反戦の思想を支持する行為だからです。
それでもメリーは、記者として取材を続けてきました。
また、上司たちもメリーには一目置いていることからも、メリーは職場でも強い信念を見せつける女性だと言えます。
その信念の強さは、PTSDでも打ち崩せないものであり、メリー自身の人生とイコールだったのです。
ジャーナリストとしての発言
作品内でメリーは、記者としての強さを見せつける発言を多く残しています。特にその強さが見られる発言がこちら。
わたしが見てくるから、あなたたちは見なくていい
引用:プライベート・ウォー/配給会社:アヴィロン・ピクチャーズ
記者として取材するのはいいが、あまりにも命の危険が高い状況なので、上司がメリーに忠告をしたシーンでの発言でした。
この言葉から見ても、メリーは命をかけて取材をしていることが分かります。
戦場での取材に命をかけられる人が、命をかけて取材すれば良い。メリーはそのように考えているのです。
だからこそ、それによって直接命まではなくならないPTSDには負けないのでした。
真実を伝えるためならば、取材対象をも説得
2012年のシリア内戦時、子どもや女性が多くいる地下室で、メリーは母乳が出なくなった母親に記事を書かないように頼まれます。
あなたの話を書きたいの
引用:プライベート・ウォー/配給会社:アヴィロン・ピクチャーズ
真実を伝える為ならば、取材対象を説得してでも伝えようとするのです。