これは愛ではなく夫婦だった名残の行動です。
そのシーンに少しヒントがあります。
別れを受け入れたディーンのその後
ディーンは何日かすればシンディが戻ってくると思っています。
しかしシンディは戻りませんしフランキーとも会えません。
主のいなくなった犬小屋を眺めながら自問を繰り返します。
『俺の何が不満なんだ』と。
答えがわからないままシンディの実家に行きますがシンディもフランキーもすでにそこにはいません。
会えば何とかなると考えるディーンは彼女を探すため仕事も辞めてしまいます。
その行動がシンディを一番傷つける行為だとは気づきもしません。
おそらくディーン(男)にシンディ(女)の気持ちは一生わからないでしょう。
シンディは後悔したのか
一方のシンディはフランキーを連れて街を出ます。
フランキーは知らない土地でただ一人母親の帰りを待つ日々を送るのです。
シンディはひたすら働きフランキーは孤独になります。
ディーンがいなくなっただけでもシンディの心は軽くなっていますが、フランキーは逆なのです。
そんなフランキーを見て自分の判断に迷いが出ます。
そして感情をぶちまけ引っ込みがつかなくなったあの日のことは少し後悔するのです。
フランキーのために自分の幸せを諦めようかとさえ考えるかもしれません。
しかしまた同じ日々を送ることだけは我慢できないと思っています。
シンディとディーンが噛み合わない本当の理由
ディーンは娘のフランキーを溺愛しています。
シンディも子供のことは何より愛しているのです。
しかしそこには温度差があり会話が噛み合いません。
二人が噛み合わない一番の理由は何でしょうか。
シンディという女
彼女の祖母も母も『愛』を手にすることはできていません。
そんな二人の女性を見て育ったシンディは『愛』に飢えています。
彼女は『愛を確かめる』ことを重ねますがそれでは祖母の助言を取り違えています。
愛=SEXだと勘違いしているのでしょう。
優しくされると愛されていると思ってしまうordinary girlです。
ディーンという男
ディーンも愛を知りません。
しかも癇癪持ちで直情型なのでマシンガントークで相手を黙らせてしまいます。
彼は孤独ですし、そんな境遇になったことを後悔していますがやり直す方法を知りません。
シンディには運命を感じましたがそれは『そこにシンディがいた』からです。
愛=同情は違うということを冷静に判断できないordinary boyなのでしょう。
彼の恋愛観が見事に表現されているシーンがありました。
ウクレレを弾きながらディーンが歌いシンディが踊るシーンでエンドロールにも流れています。
もしも僕が君を傷つけたとしたら それは君を愛しているからだ 誰よりも
引用:映画名/配給会社:クロックワークス