これは同時に娘の本気の主張が母の心を動かした証拠でもあるのです。
一念岩をも通すで、それだけカミーユの覚悟と決意が本物で揺るぎないことでもあるのです。
本気で何かに打ち込んでいれば、最初は馬鹿にされたり反対されたりしてもいずれ理解されるようになります。
母の歩み寄りだけではなく、何よりも娘の本気の覚悟と行動が母を動かしこの和解へと繋がっているのです。
仲直りの勇気の源
カミーユが母の元へ帰ったきっかけはスケート・キッチンに仲間外れにされたからでした。
メンバーはジュールスとブレンのロレンゾ姉妹をはじめ本物であり、それだけに関係性もリアルです。
一度仲間はずれにされたカミーユがメンバー達と仲直りする勇気の源は何だったのでしょうか?
母に認めて貰えた
一番の勇気の源となったのはやはり理解者になってくれた母の後押しではないでしょうか。
カミーユの行動原理はスケート・キッチンありきでしたが、その背景には母への承認欲求が強くありました。
誰よりも一人前に頑張っている自分の背中を、姿を見て認めて欲しいという想いがあったのです。
だからこそスケート・キッチンというグループに自分の存在意義を見出して頑張っていました。
つまり心の土台がずっと不安定な足場のままカミーユは葛藤し戦っていたことになります。
母が認めてくれたことでその土台が安定し、もう全てを抱え込む必要がなくなったのでしょう。
スケート・キッチンへの熱い想い
内気だったカミーユがあそこまで自由になれたのはスケート・キッチンの仲間が居たからです。
とても個性が強く、いわゆるステロタイプの”女性像”に屈しない自由な精神を持った仲間達でした。
それが彼女を強くも、そして弱くもしてくれた人生で一番大切なものではないでしょうか。
それだけの熱い想いが母と和解した上でも尚強く残ったからこそカミーユは戻る決意をしたのです。
女性である前にスケートボーダーである
その上で性の問題と絡めるとすれば、カミーユはデヴォンとの関係に失敗したことも大きいでしょう。
失敗したことで彼女は無理に女性であることよりスケートボーダーであるという折り合いがつけられました。
その証拠にカミーユはスケート・キッチンとの和解を果たした後デヴォンのことは一切忘れ去っています。
彼女の“性”からの解放というテーマはまだまだこれからも続いていくことになるわけです。
だからこそカミーユは仲間達と共にスケートボーダーとして世に対する反抗的な姿勢でクールに戦うことを決めました。
カミーユの後悔
カミーユは母と衝突し、また仲間外れにされたことで様々な痛みや後悔を経験することになりました。
単なる友達や仲間内の関係に終わらない彼女の大切な人達に対する後悔の真意はどこにあるのでしょうか?
ジャネイへの裏切り
一番分かりやすい後悔はデヴォンへの未練を引きずっていたジャネイの気持ちを知りながら裏切ったことです。
カミーユはデヴォンとの関係を持とうとし、それが引き金となってジャネイを含む仲間達の心を傷つけました。