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『カーマイン・ストリート・ギター』は2018年に製作されたカナダ映画です。
監督と製作はドキュメンタリー映画で名高くSphinx Productionsの代表でもあるロン・マンが務めました。
本作はニューヨークの名物ギター店の日常を切り取ったドキュメンタリ―であり音楽映画です。
ギタリストたちはリック・ケリーのギターショップを心から大切に思っています。
リックの店で扱われたギターと廃材が生み出すドラマなど、かかわった人々を含め徹底考察していきましょう。
ジム・ジャームッシュ
ジム・ジャームッシュはスクワールのフロントマンとして有名です。
彼の愛用ギターはカタルパ材で驚くほど希少性の高い木材でできています。
ジムはそのギターの修理を依頼しにリックの店を訪れました。
リックは手にもった瞬間に弦の交換を提案します。
ジムに扇動された人物とは
ジム・ジャームッシュは『扇動者』としてクレジットされるほど本作に深くかかわっています。
ジムに扇動されたというのは誰のことでしょうか。
それは本作を製作監督したロン・マンです。
しかし、一番扇動されたのはカーマイン・ギター・ストリートのギター職人であるリック・ケリーでしょう。
リックこそ『廃材』が生み出すドラマによって人生を大きく動かされた人間です。
リックとのかかわり
そもそもリック・ケリーが廃材でギターを作り始めたきっかけはジム・ジャームッシュです。
自身が住んでいたアパートの木材でギターを作ろうと思い立ちギター職人であるリックを訪ね交流が始まりました。
その時作ったギターの音色には廃材だけが持つ独特な艶がありリックは虜になってしまったのです。
それから彼の廃材探しが始まりました。
ジムとリックの出会いが無ければ歴史ある建物の木材たちは海に帰るだけの運命だったのです。
リックがいなければジムのキャリアは変わっていたでしょうし、ジムがいなければ今のリックは無かったでしょう。
二人は強い信頼と友情で結ばれているようです。
ビル・フリゼール
ビル・フリーゼルは『ビル・フリーゼル・トリオ』として来日したこともあるギタリストです。
彼はリックと語り合いながらまるで懺悔をするかのようにギターを始めたころの話をします。
それを楽しそうに聞くリック。
ギタリストの中でも高いテクニックを誇るビルのスタートがサーファーサウンドというのも面白いですね。
リックにだから話せること
ビル・フリーゼルはサーファーサウンドバンドだったことを恥じているわけでも隠しているわけでもありません。
でも少しはにかんだようにその頃の話をしていました。
リックは絶妙な相槌を打ちながら楽しそうに話を聞きます。
二人はギターを愛しているという点で同志なのです。
ビルはリックの作るギターに惚れ込んでいます。
リックのギターでビーチボーイズの『サーファーガール』を弾きました。
まるで心を解放したように自由な音ですが、確かにビルのサウンドでした。