ジェフリーの無事を信じ、無二の親友を失いたくない思いがジェフリーの声を聞かせたのでしょう。
託された夢の形
ジェフリーはトールキンが彼を探しさまよっている時にはすでに戦死をしていました。
トールキンはそのジェフリーの声を聞いたのです。そしてその理由が他にもあったと、生還後に届いたジェフリーからの手紙で理解するのです。
もし今夜、僕が戦死しても我らT.C.B.S.の残ったメンバーが僕の夢を伝えてくれると思うと心が安らかになる
死は個人にとっては忌まわしく避けがたいものだが…(中略)
君に神の祝福をそして、僕がいなくなっても僕の言葉を長く伝えてくれ
引用:トールキン 旅の始まり/配給会社:ディズニー
ジェフリーの詩人としての才能を一番に理解していたのはトールキンでした。
ジェフリーは自分に何かあった時に夢を託せるのはトールキン意外に考えられないはずです。だから、生きて祖国に帰す意味もあるのでしょう。
ジェフリーの魂が声としてトールキンに届き、生還した意味を伝えトールキンはジェフリーの夢を叶えるべく詩集を出版するため尽力するのです。
第一次世界大戦
ソンムの戦い
「ソンムの戦い」とはフランス北部のソンム河畔での、イギリスとフランスの連合軍がドイツ軍と戦い100万人以上の戦死者を出した戦いです。
このソンムの戦いは第一次世界大戦の中でも最大最悪の激戦地となりました。
この激戦地での体験が「指輪物語」や「ホビットの冒険」で繰り広げられる種族同士の戦いのモチーフになったと言われています。
旅の始まり
トールキンが小説を書くようになったのは、自分の子供たちの喜ぶ物語を書きたいと考え出したのがきっかけでした。
ホビットの冒険や指輪物語は「目に見えない心の宝物」である愛と友情、勇気を描いたもので、トールキンの実体験こそが宝物だったのです。
そのことを子供達に教え伝えようと思い巡らせた物語が全世界で本となり映画となって長く愛される作品となりました。
伝説の作家の半生
「指輪物語」や「ホビットの冒険」が半世紀以上にわたり愛されている作品にも関わらず、作者に関してはほとんど知られていませんでした。
「トールキン 旅の始まり」はその生みの親J・R・R・トールキンにスポットをあてた伝記映画でした。
トールキンの物語は想像力だけではなく事実に裏付けされた作品であるがゆえに説得力があり、後世も愛され続けているのだとわかりました。
この映画はトールキンの半生そのものが冒険であり、物語が誕生するまでの始まりを描いていたのです。