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完結した「SAW」シリーズの正式な続編として制作された「ジグソウ:ソウ・レガシー」
ジョンからアマンダ、ホフマンへと【ジグソウ】が引き継がれていった本編とは異なり、新たな後継者視点で物語が展開していくのが特徴です。
そんな「ソウ・レガシー」では、新たな殺人鬼の正体は誰なのか…
後継者ではなくコピーキャットが犯人なのではないかなど、最後まで結論を濁しながら上手くストーリーを進めていきます。
如何に残忍な殺害装置を用意するかというポイントをキープしつつ、観る者をアッと思わせるラストシーン。
完璧に組まれたロジックには、出発点である「SAW」に近い魅力がふんだんに詰め込まれています。
今回は、そんな「ジグソウ:ソウ・レガシー」の中から気になるシーンを考察。
エレノアが犯行手口に気づいた理由や真犯人の目的を、原作シリーズとの変化にも目を向けながら解説していきます。
後継者かコピーキャットか
映画を通して気になるのは、今回の犯人がジョン・クレイマー(トビン・ベル)なのか後継者なのかです。
新シリーズということもあり【ジグソウ】を模倣したコピーキャットの可能性も考えられます。
本作の時系列はジグソウ死亡から10年後の時間軸なので、ジョンが犯人である流れは早々に消去されます。
しかし、検視官のローガン・ネルソン(マット・パスモア)は、被害者たちの死体を調べるうちにジョンの細胞が検出されたことを告げます。
もしかしたらジョン・クレイマーは生きていたのでは?と思わせることで、真犯人の正体が分からないままゲームは進んでいきます。
ジグソウを崇拝する者たち
ジグソウの存在は一部の人間にとって神格化されています。
彼の作る残酷な装置に惚れ込んだ人間たちにより、情報はネットに拡散。一部の崇拝者たちの手により再現されます。
人を殺すために作られた殺人装置。
恐怖の対象でしかないモノも、離れた場所から眺めるだけの人間にとっては単なるアイテムの1つでしかないのでしょう。
ジョン・クレイマーが死しても残る彼の情報は、彼の後継者以外にも知識を与えることになったのです。
狂信的な崇拝者
ローガンと共に検視官として働くエレノア(ハンナ・エミリー・アンダーソン)もまた、ジグソウ崇拝者の1人です。
彼の作る装置にのめり込むあまり図面を元に同じものを再現してしまったほどです。
彼の残した図面をネットで手に入れ、私が組み立てた。
噂によれば、彼はその仕掛けを完成されてた。完璧にね
引用:ジグソウ:ソウ・レガシー/配給会社:アスミック・エース
こう語る彼女は、アトリエの中にジョンの作った数々の装置を再現していました。
ジグソウへの陶酔といい装置を再現できる技量といい、エレノアは新たなジグソウの有力候補に挙げられます。
しかしエレノアが犯人ではまったくストーリーに面白味はありません。
かつてのホフマンのように、今回の真犯人も自分の職業を隠れ蓑に別の人物を上手く犯人に仕立てながら行動していたのです。
真犯人は意外な人物
検視官ローガン・ネルソンこそ、新たなジグソウとしてゲームを始めた犯人です。
ローガンはジョンから直々に手ほどきを受けた正式な後継者でした。
シリーズを通しての後継者育成を思い出してみると、ジョンはゲームをクリアした中から何人もの後継者を生み出していたのかもしれません。
ローガンは検視官という立場を逆手にとり、死んだはずのジョンやハロラン刑事(カラム・キース・レニー)を犯人に仕立て上げていくのです。
エレノアが犯行手口に気づいた理由
ジグソウは永遠よ。彼には後継者がいる
引用:ジグソウ:ソウ・レガシー/配給会社:アスミック・エース
こう語るエレノアは、ハロランこそジョンの後継者であり今回の犯人だと断言します。
ハロランの使う銃と銃弾が一致したこと、被害者全員と接点があることなどから彼女は犯行手口を断定します。
そして、ジョン・クレイマーの所持物件でハロランに襲われたことで彼女はハロランが犯人だと確信します。
それこそが真犯人であるローガンの思惑だとも知らず、逃走先でハロランの犯行手口を証言することになるのです。
過去の遺物
ジョン・クレイマーと繋がりの深いジルの所有物件として残っていた農場跡地。
エレノアは闇サイトなどの情報から、ゲームに使われた場所として現場を特定しました。
黒幕がハロランだと告げられたエレノアは、警察には連絡できないとローガンをその場に連れていきます。