出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B019GLY49Q/?tag=cinema-notes-22
映画『ジュラシック・ワールド』は2015年公開の『ジュラシック・パーク』シリーズ第4作目です。
2018年には本作の正式な続編『ジュラシック・ワールド/炎の王国』も公開されています。
本来であれば前作『ジュラシック・パークⅢ』の続編だったのを紆余曲折を経て実質の新作として制作されました。
クリス・プラット主演のオーウェンを主人公に作られた本作は完成度の高さから以下を受賞しています。
第33回ゴールデングロス賞外国映画部門優秀銀賞
Yahoo!検索大賞 2015映画部門賞引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジュラシック・ワールド
本稿では危機がザックとクレアに与えた影響をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、ミッチェル兄弟がザラの元を離れ理由や恐竜が人間の味方をした理由なども併せて読み解きます。
人間に弄ばれる恐竜たち
イスラ・ヌブラル島を舞台にした本作最大の特徴は人間が恐竜を管理しているということです。
単なる恐竜が人間に襲いかかるパニック映画から人間と恐竜の関わりというSFの要素も少し入ってきました。
その象徴がティラノサウルスをベースにDNAの遺伝子組み換えによって生まれたインドミナス・レックスです。
つまり大自然の脅威にして未知の存在であった恐竜がその神秘性を失い人間の支配下に置かれました。
本作はこのように人間に弄ばれる恐竜たちを描くことで人間の業という形でパニック映画を再生させています。
このことを念頭に置いて本題に入りましょう。
危機がザックとクレアに与えた影響
突然の遺伝子組み換えによる恐竜の暴走によって多くの人が巻き込まれる形となり影響を受けました。
そしてその中でも特に大きな影響を受けたと思われるのがザックとクレアの二人です。
このパニックの危機が二人に与えた影響をあらすじを整理しながら読み解きます。
冷静な参謀への覚醒
本作におけるザックは彼女が居ながら女関係が派手で、かつどこか冷めた部分のある今風の若者でした。
勇敢さは多少ありつつも基本がクールで人付き合いもどこか達観して冷めた様子すら窺えます。
しかし、それでも土壇場に追い込まれた時の底力は凄まじいものがあり、それが彼を変えました。
インドミナス・レックスから逃れるときに何と廃車同然の車を修理し自力で難を逃れたのです。
また後半ではティラノサウルスがインドミナス・レックスが勝てる様に作戦立案もしています。
彼は恐らく天才肌の参謀であり、元々秘めていた素晴らしい素質を危機の中で覚醒させたのです。
ザックが居なければ人類はインドミナス・レックスに勝てなかったのではないでしょうか。
ドライなビジネスパーソンから一流の仕事人へ
クレアに関しては公私共に非常に大きな影響を与えられ、劇中でも一番変化が色濃く描かれています。
その内「公」の部分が仕事に関する部分で、彼女は元々恐竜に無関心なキャリアウーマンでした。
遺伝子組み換えで生まれたインドミナス・レックスも金儲けの為ならありだと割り切っていたのです。
しかし自身のそうした取り組みが祟ってこのような危機に遭ったのだと自覚し、仕事への考えを改めました。
年下の甥たちや元恋人のオーウェンの存在がクレアに自分もまた人に生かされていると気付かせたのでしょう。
まずこの一流の仕事人として熱い人へ覚醒していくのが最初の影響です。
オーウェンとの復縁
そしてもう一つ、今度は「私」において元恋人のオーウェンとの復縁が可能となりました。
一見吊り橋効果のようでいて、実は違い改めて行動を共にしていく中でオーウェンの良さに気付いたのです。