実写特撮も含むあらゆるシリーズの中でここまで「ゴジラの天敵」を意識したギドラはないでしょう。

即ち3作目にして漸く人類側に勝機がもたらされたかのようにギドラ復活の儀式が描かれるのです。

破壊による救済

2つ目にメトフィエスがギドラ復活で成し遂げようとしたことは「破壊による救済」でした。

異星人エクシフは文明を高次元にまで発展させた結果、全ては滅び行くという結末に至ったのです。

正に「虚空の王」の名にふさわしい存在ですが、実はこのこの時点で既に儀式は破綻しています。

信仰心からギドラに命を捧げて破壊によって救われようとするのは本末転倒ではないでしょうか。

確かに生あるものはいつか滅んでいく運命にあり、ゴジラ・アースも地球人類も例外ではありません。

しかし破壊=滅びとはあくまでも「結果」であって「目的」になってはならないのです。

異星人エクシフとギドラは負けるべくしてゴジラ・アースに負けました。

ゴジラ・アースとフツア族=ジンテーゼ

結局ギドラとエクシフは終盤でメトフィエスの策謀に気付いたハルオによって存在を否定されました。

そして、地球人類はフツア族として帰化した結果ゴジラ・アースと共にジンテーゼとなったのです。

これは即ち人類がゴジラと向き合い共存するという「シン・ゴジラ」が見出した結末と似ています。

その上で本作は人類の生き方そのものをも変え、「シン・ゴジラ」が紡いだ物語の先を行くものとなりました。

色々と複雑な要素を織り交ぜながらも、辿り着いた場所はとてもシンプルなものだったのではないでしょうか。

偽りの自分から本当の自分へ

“偽りの自分

本作を含むアニメのGODZILLAシリーズ3部作のテーマは「偽りの自分から本当の自分へ」ではないでしょうか。

地球人類の科学兵器も異星人の儀式で生まれたギドラも全ては星の象徴であるゴジラ・アースの前に破れました。

それは彼らの生み出した兵器が頭で考え作ったものであり体で感じて作ったものではないからです。

人間どこまで行こうと頭で考えたことは嘘をつきますが、体で感じたことは嘘をつかないように出来ています。

1作目からゴジラ・アースと人類の戦いを通して、本作は自分を偽り続けることで生じる歪みを描いてきました。

だから、最後は体の感覚を大事にしゴジラ・アースを受け入れたフツア族が生き残るのは当然のことでしょう。

それは同時に人間が高度な文明から一周回って本来の野生の動物へ回帰していくことでもあるのです。

原点回帰にして終焉

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平成最後のゴジラ映画となった本シリーズは一貫して「ゴジラと向き合う人類」の姿を描いてきました。

テーマにが高度で抽象度が高い故にゴジラ映画である必要がないとの批判も少なからずあるようです。

しかし、本作はゴジラ映画だからこそこの物語を紡ぐことが出来たのではないでしょうか。

ゴジラはそもそも初代からして自然の一部であった動物が人類の身勝手な核実験で暴走した被害者です。

本作は人類が野生に回帰しゴジラを自然の一部と認めることで、この問題を見事にクリアしました。

それは特撮も含むゴジラシリーズがずっと格闘し取り組んできたテーマの完結でありましょう。

故にこそ本作はゴジラ映画の原点回帰にして終焉を意味する集大成の作品となったのです。

平成最後のゴジラ作品として見事に有終の美を飾る作品となりました。

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