そもそも犯罪を研究すると称するサイトに興味を示す時点で心に闇を持っているのでしょう。
日向のサイトで『遊んでいる』はずがいつの間にか『遊ばれている』のです。
日向はカウンセリングで起こる逆転移の心理を操ることに長けた人物だと推察できます。
日向真奈美はどうやって人を操るのか
自分のサイトに寄ってくる人間を彼女は虫けらだと思っているはずです。
潜在的な自己顕示欲を上手に刺激して『君ならどうする?』と投げかけ成功の疑似体験をさせるのではないでしょうか。
成功体験は達成感に繋がりますが、サイト上での架空空間だけでは物足りなくなるのです。
そして実行に移してしまったサイト訪問者を彼女は『ただのバカな子供だ』と嗤うのでしょう。
日向真奈美は何を目指しているのか
湾岸署で河原崎から奪った拳銃を本物だと思っていた日向は何の躊躇もなく自分の頭を撃とうとしました。
どうやら彼女には自殺願望があるようです。
彼女の要望はただ一つ『美しく死にたい』のだと推察できます。
テディベアを持つ理由
彼女にとってテディベアも人間も同じです。むしろテディベアの方が面倒も無くかわいいので良いと思っているかもしれません。
テディベアのお腹の中には綿が詰まっていますが、人間は臓器が詰まっている程度の違いは認識しているでしょう。
彼女は自分が人間であり自分の腹の中にもあの赤いドロドロした臓器が詰まっていることに嫌気さえ感じています。
テディベアは彼女にとって理想形です。
何かを考えているかもしれないけれどそれを口にせず、洗えばきれいになり捨てられる時も黙って微笑んでいるテディベア。
彼女はそうありたいと願っているのです。
歯科矯正をしていたのはなぜ
日向の望みは美しく死ぬことですから、死ぬときに着ているものにも拘っていたはずです。
登場シーンで着ていたチャイナブラウスの重ね着は彼女の一番のお気に入りなのでしょう。
雪乃と接触するまでは『美しく死にたいが今ではない』と考えていたと推測できる根拠が歯の矯正です。
できればあと数名の『自分の信者』を殺してから…と思っていたのかもしれません。
しかし雪乃が刑事だと見ぬいたとき『丁度いいから捕まえに来たらその時に死のう』と考えたのでしょう。
その準備をするために一旦姿を消し、雪乃を切ったのは『望みをかなえてやるからな』という印です。
日向真奈美という人物を深読み
心に闇を抱える人間を引き寄せる日向真奈美とはどんな人物なのでしょうか。
本作では詳しく語られてはいませんが看護師として働いていたという経歴は明らかです。
看護師という職業を選んだ理由やなぜ辞めたのかなど少し深読みしてみましょう。
どんな人生をおくってきたのか
画面に登場した日向真奈美は徒党を組むタイプではありません。それはおそらくは幼少期に培われたのでしょう。
『絵に描いたような幸せな家族』ではなかったことは容易に想像できます。