人間不信を通り越して他人を『物質』のように扱う彼女にとってインターネット社会は好都合でした。

どんな人間にでもなりすまし自分を信じようとする人間をあざ笑う彼女もそのように扱われていたのかもしれません。

頭脳明晰なのに孤独で他者から否定され続けてきた結果が『日向真奈美』なのではないでしょうか。

彼女にとって医療行為は合法的に人を殺す行為と映っていたのかもしれません。

そしてその思想が垣間見えたとき看護師の職を失ったのです。

青島はどうかかわっていくのか

日向真奈美は犯罪マニアです。しかも危険な思想を持っていることは彼女の発言からもわかります。

「プロファイリングももう時代遅れだ」

「人が事件を起こすのではない。事件が人を起こす」

引用:踊る大捜査線THE MOVIE/湾岸署史上最悪の3日間/配給会社:東宝

このセリフには恐怖さえ覚えませんか。

しかし彼女の実力は誘拐犯を子供だと見抜いた時点ではっきりしています。

彼女はハンニバル・レクター博士、青島がクラリス・スターリングという関係が成立するのではないでしょうか。

となると信者を使い上手く脱獄を果たすかもしれませんね。

日向真奈美の今後を考察

Nice Middle(初回限定盤)(DVD付)

精神鑑定を受け医療刑務所に収監された日向真奈美は『猟奇的連続殺人犯』として拘束されることになります。

自殺防止措置をとられ身動きもままならない状態でもうっすら笑いを浮かべている彼女は看守たちにとって不気味な存在です。

しかし『不気味な女だ』と思わせた時点ですでに彼女の術中に落ちているとも言えます。

そしてひとりずつゆっくりと信者を増やしていくのではないでしょうか。

ネットでの信者も日替わりのように面会に訪れ、具体的な指示ではなく何かを示唆するような短い会話を交わします。

彼らにとって教祖である日向の言葉が独り歩きを始め、猟奇的な犯罪が増えていくことでしょう。

そのニュースを微笑みながら観る日向は間違いなく黒幕なのです。

そしていつか脱獄の日を迎えるのというのはどうでしょうか。

特別版DVDと通常版の違い

踊る大捜査線 THE MOVIE <Blu-ray Disc>

青島と室井の関係や恩田との今後など気になる布石が山積みだった本作。次回作も楽しみですね。

スピンオフ作品も数多い本シリーズはテレビドラマ版も映画版も人気があります。

踊る大捜査線THE MOVIEは1999年VHS版が発売され、翌年の7月に通常版と特別版がDVD化されました。

通常版は本編のみ収録でしたが、特別版は『深夜も踊る大捜査線』再編集版も入った2枚組です。

青島と並び人気の高い和久刑事役のいかりや長介は惜しまれつつも2004年に原発不明頸部リンパ節癌により亡くなりました。

本作はまだ元気に活躍する所轄の叩き上げ刑事『和久平八郎』を観ることができる最後の作品といえます。

そして日向真奈美という存在によって仮想空間での犯罪が現実として発生する未来を予言しているのです。

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