このエピソードのおかげで「やるせなさが増す」という効果もあったように思います。

ですがそれ以上に「インパール作戦の事を知ってほしい」という原田監督の強い思いがあったのではないかと思われます。

このエピソードを取り上げる事によって、どれだけ愚かな事があったのか、どんな悲劇があったのか、今の社会にどのように教訓にしていけるのか、などを考えさせます。

最上と沖野の勝負

検察側の罪人 文庫 (上)(下)セット

沖野は勝ったのか?

「冤罪をなくす」という点では沖野が勝利しましたが、そこで「沖野の正義が勝った、沖野の正義が正しかった」とはならないのがこの映画の面白い所。

「松倉を野放しにしていいのか?」という疑問が突きつけられます。振り出しに戻った気分です。

「冤罪を作る事」と「殺人鬼を野放しにする事」、どちらがより悪なのか?その答えは示されません。観る人に委ねられます。

「正義」は価値観に「信念」が加わったもののような気がします。

そして正義感が極度に強い人は自分の「正義」が心の支えとなります。

強い支えではあるものの、それが崩れたら立っていられない、生きられない。

『レ・ミゼラブル』のジャベールが「自分の正義」に疑いを持って身を投げてしまったように、正義の為に命をかけてしまう人もいるのでしょう。

最上は由季の為に復讐を果たし落ち着いたかと思いきや、次は親友・丹野の仇を討つ気満々です。

悪者は懲らしめなくてはいけません、それが最上の正義だから。

その正義を貫く為に、またインパール作戦のような無茶をするかもしれません。

それを止められるのは沖野かもしれないけれど、勝ったように見える沖野の方がブレていたりして…。

最上がハーモニカを持っていた意味とは?

kmise ハーモニカ 10ホールの鍵40 ケース付き ハープ クロマチックハーモニカ フレンチハープ ブロンズ マウスオルガン (MI2619)

難解なストーリーの「検察官の証人」ですが、解明されていないのが最後のハーモニカのシーンです。

 ”Cry Me A River”

ハーモニカは楽器なので、何かを演奏するためにハーモニカを持っていたという考察は、単純ですが真っ当だと思います。

殺された由季がダイナ・ワシントンが好きで”Cry Me A River”をいつも歌っていました。

この曲は恋愛ソングで、「男性の為に泣かされ続けた女性が別れを告げる」という歌です。

最上と由季は恋愛関係ではないようですが、最上が特別な思いを持っていたという可能性はあります。

由季のことを思いながら”Cry Me A River”を弾いて、思いに浸ろうとしていたのかもしれません。

視聴者に投げかけるための材料

この映画には複数の正義が存在するので、観終わった後にスッキリする映画ではなく、深みに浸るような映画だと思います。

作品のことを「理解した気」になってしまわないように、最後の最後にちゃんと「?」で終わらせるためによくわからないハーモニカを持たせたのではないでしょうか。

「結局最後のあれは何だったの?」と思ってもらいたいのではないかという、制作側の意図が感じられました。

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