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【検察側の罪人(ネタバレ)】最上がハーモニカを持っていた意味を徹底解説!インパール作戦のエピソードが追加された理由とは?

人を多く殺す事が正しい事になってしまうのです。勝つ為だったら、なりふり構わない。

だから「インパール作戦上等!」なんていう極端な事になってしまったのです。

インパール作戦

インパール作戦の真実 牟田口廉也司令官の霊言 単行本

インパール作戦とは

最上の祖父と諏訪部の父は、共にインパール作戦の生き残りという設定になっていました。

インパール作戦とは太平洋戦争の際に日本軍がインパール(インド北東部)攻略の為に実行した作戦です。

補給が出来なかった為、撤退時に飢え死にしてしまう人が続出し、遺体が連なった道は「白骨街道」と呼ばれました。

参戦した日本兵の約9割が亡くなったようです。Wikipediaにはインパール作戦について、こう書いてあります。

無謀な作戦の代名詞として現代でもしばしば引用される

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/インパール作戦

負の連鎖

上層部の決めた無謀な作戦のせいで理不尽な辛苦をなめた祖父を思えば、上層部に上り詰めた最上が自分のおかしな行動のせいで下の人達に迷惑がかかる事は慎みそうなものです。

ですが、結局「理不尽な事」をやってしまうのが皮肉。「イヤだ、避けたい」と思っている事をなぜか繰り返してしまう呪いのような不思議さ。

自分の正義・自分のストーリーに固執する検事は犯罪者に墜ちる」と新人に警告していた最上の言葉は、まるで予言です。

「そうなってはいけない」と厳しく自戒していた筈なのに、自身が墜ちてしまいました。

部活でいじめを受けて嫌な思いをした後輩が、先輩になったら後輩をいじめてしまう。

虐待を受けた子供が、なぜか大人になったら自分が虐待する側になってしまう。

こういった恐ろしい連鎖と通じるものがあるのでしょうか?

「勝つ為だったら、なりふり構わない」という姿勢で臨んだにも関わらず失敗に終わったインパール作戦は、「勝ち目がないからこそ、なりふり構っていられない」という物でもありました。

最上の場合も、序盤はさすがに殺人などは考えていなかったと思いますが、どうにもならなくなって無謀な作戦を実行してしまいました。

愚策と自覚しつつ、それでもやらざるを得なかった。

作戦自体は愚かだけれど、お国の為に従った祖父が間違っていなかったのと同じように「自分も間違ったことはしていない」と思い込みたかったのでしょう。

そのため、死体を埋めてから帰宅するまでの道を「白骨街道」になぞらえたようにも見えます。

原作にはないエピソード

検察側の罪人 単行本

原作の小説にはインパール作戦は出てきません。映画オリジナルのエピソードです。

最上と諏訪部の絆の深さに説得力を持たせる為に追加された要素といわれています。

また、原田眞人監督はインタビューでこんな言葉も残しています。

「今の日本を語るときに、清算していない過去の戦争犯罪を避けて通ることはできない。そのうちの一つがインパール作戦である」