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映画『ガラスの城の約束』は2017年公開のアメリカ伝記映画で、日本では2019年公開となりました。
原作は人気コラムニストのジャネット・ウォールズが書かれたベストセラーの実話回顧録です。
主演はブリー・ラーソン、助演にはウディ・ハレルソンやナオミ・ワッツが脇を固めています。
物語はジャネットの輝かしいコラムニスト人生の家族の裏側に焦点を当てた内容です。
父レックスは飲んだくれ、母ローズマリーはホームレスという目を覆いたくなる現実がありました。
本稿ではジャネットが婚約者との将来を捨てた理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
またガラスの城が表わすものやジャネットが気付いた父の愛情についても併せて見ていきます。
毒親と割り切れない家族の問題
本作は表面上の設定だけだと如何にも毒親と縁が切れないで困っている子の問題に見えます。
しかし、本作は決してそんな一言では割りきれない複雑な問題があるのです。
確かにレックスとローズマリーは口が裂けてもいい両親だとはいえません。
娘達よりも自分たちの事情を優先し、その癖口だけは達者という典型的なええかっこしい。
そんな酷い人であってもジャネットにとっては自立するまで育ててくれた「親」なのです。
他人ならいざ知らずそう簡単に絶縁など出来ない複雑な両親と家族の問題へ切り込んでいます。
果たしてジャネット自身の回顧録として語られる物語は何を伝えてくれるのでしょうか?
婚約者との将来を捨てた理由
コラムニストとして輝かしいキャリアを歩むジャネットには婚約者のデヴィットがいました。
しかし、彼女は最終的に婚約者と歩む将来を捨ててフリーランスへと転身したのです。
ここではその理由について考察していきましょう。
父レックスの影響
やはり根底にあったのは父レックスから受け継いだ自立心の強さではないでしょうか。
ジャネットが父から教えて貰い濃く受け継いだのは他者へ頼らず生きる強さでした。
プールに突き落とされたことや、火傷した父の背中などからそれを教わっていたのです。
だからこそこの悲惨な家庭の中でも自立してコラムニストとして活躍出来る今があります。
父との思い出を振り返り、父の死に目に遭ってその自覚が改めて芽生えたのでしょう。
家族ぐるみのお付き合いが出来ない
2つ目に考えられるのはジャネットが家族ぐるみの付き合いに問題があると思ったからです。
結婚とは決して当人同士の合意だけで成り立つものではなく、家族同士の問題も生じます。
最大の障壁となったのはやはりここで、レックスが何度も付き合いをぶち壊すのです。
汚い服装で現われて失礼な態度を取ったり腕相撲で負けると逆ギレして暴力を振るったりしました。
更に母は自分の経済状況が危うくなったら金の無心をするなど基本的に傍若無人な両親です。