ダンス教室の開業なんて上手く行くかも分からない事業にお金も何もないのに協力しています。

また、普通だったら怖がるヤンキーたちともダンス対決を通して打ち解けてしまうのです。

それ位静香は本当はリスクを伴う冒険や危険なことが好きであると分かります。

そういう人だからこそわざわざマーチン上田を追いかけて北海道まで行くのです。

この行動力の凄さは目を見張るものがあるでしょう。

天性のアイドル

2つ目に静香は実は盛り上げ上手で人を巻き込む求心力があります。

洋子がCDを売りさばくのに貢献していますし、ラストの札幌会場でも上手く盛り上げました。

この求心力が同時にマーチン上田の失敗続きの事業を回復させる役割にまでなるのです。

終盤ではパートナーの千絵は勿論のこと借金取りや探偵でダンスに巻き込みます。

これはもうダンスの上手い下手を超越した天性のアイドルといえるのではないでしょうか。

そしてそのキャラ設定を可能にしたのが間違いなく女優・三吉彩花のスター性なのです。

天衣無縫

天衣無縫

こうして潜在意識を解放させた静香はどこでもどんな状況でも心から踊ることを楽しむ人です。

催眠術にまでかかってしまう程根は素直で単純ですが、その分邪気もまたありません。

その様は正に天衣無縫という言葉が似合い、そこにいるだけで既に輝きを放っています。

好きなことをとことんまで極めていった先に辿りついた1つの姿ではないでしょうか。

ダンスをするためにダンスをする、それが鈴木静香という女性です。

好きなことに理由はいらない

理由はいらない (新潮文庫)

催眠術がきっかけとはいえ、静香や千絵の生き方は1つの教訓を教えてくれます。

それは「好きなことに理由はいらない」というごく単純ながらも奥深いメッセージです。

子供の頃は誰しもが好きなことに時間や周りの目も気にせず没頭しています。

これが大人になると責任が伴い周りの目や義務感・ノルマといった条件付けが出てくるのです。

しかし、本当の一流はそんな中でも子供のように楽しく無邪気に仕事をして結果を出します。

確かに好きなことを仕事にするのはそう簡単ではなく色々な条件が伴うのでしょう。

でも同時に「好き」「楽しい」があるからこそ続けられることもあるのです。

寧ろこれからはそのような生き方の方が主流となってくるのではないでしょうか。

誰でもスターになれる分野がある

誰にでも才能はある。問題はその「原石」をどう見つけて磨くかだ (中経出版)

いかがでしたでしょうか?

本作は決して単に和製ミュージカル映画を完成させただけの作品ではありません。

静香や千絵の生き方を通して「好き」を仕事にする夢を見せてくれているのです。

勿論誰もがそう簡単に静香や千絵のようにダンスのプロになれるとは限りません。

しかし、どんな人にもスターになって輝ける分野はある筈なのです。

そしてその答えは実は子供の頃に夢中になったものや好きだったものの中に隠されています。

これからを生きる人達に大切にして欲しいことはその「好き」を極めることでしょう。