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映画『アナベル 死霊人形の誕生』は2017年に公開されたアメリカのホラー映画作品です。
監督はデヴィッド・F・サンドバーグ、主演はステファニー・シグマンが務めています。
『死霊館』シリーズとしては『アナベル 死霊館の人形』の前日譚という位置づけです。
スピンオフとしてアナベル人形の源流を掘り下げる物語となっています。
本稿では最後のアナベルの正体をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、サミュエルが孤児を引き取った理由と妻の仮面の意味も併せて読み解きます。
人形に悪魔は宿るか?
本作全体を通して問われていることは「人形に悪魔は宿るか?」ではないでしょうか。
アナベル人形は映画と実物で形こそ違えど人々を呪いに落とし入れるといわれる人形です。
実際にこの人形を真正面から見た人がその後悲惨な目に遭うことも現実にあります。
日本でも日本人形の呪いがありますので、人形の怖さは万国共通なのでしょう。
そこで本作は人形に悪魔が宿る根拠を明解にし、その誕生の軌跡を描きました。
果たしてどのようにしてアナベルという悪魔の人情は誕生したのでしょうか?
最後のアナベルの正体
本作のラストは12年後の世界でアナベルと名乗る者がビギンス夫妻を襲撃し殺しました。
これが映画『アナベル 死霊館の人形』へと繋がる結末になっています。
果たして最後にこの夫妻を襲ったアナベルの正体は何者なのでしょうか?
魂を乗っ取られたジャニス
アナベルの正体はアナベルと名乗る悪魔に魂を乗っ取られたジャニスです。
少女の姿をしていますが、中身は完全にアナベルと名乗る悪魔が支配しています。
この少女が12年後に悪魔としての本性を表わした姿が最後のアナベルではないでしょうか。
いってみればジャニスはアナベルの完全な人身御供と化してしまっているのです。
人形のみならず人間にまで憑依してしまうのがアナベルのアナベルたる所以でしょう。
きっかけはサミュエルの封印を解いたこと
何故アナベルは人形からジャニスに乗り移ったのかというと、サミュエルの封印が原因です。
彼が悪魔の宿った人形を封印した後にジャニスが知らずに封印を解いてしまい乗り移られました。
自業自得といえばそうかもしれませんが、1番悪いのはそれを事前に知らせなかったサミュエルでしょう。
封印したときにジェニスに知らせて口止めしておけばこのようなことにはならなかった筈です。
それをしなかった上に、アナベルが乗り移ったジェニスを閉じ込めてしまったことが問題でした。
ジェニス並びにビギンス夫妻はそのとばっちりを食らってしまったことになります。
臭いものに蓋をする
ラストのアナベルは要するに「臭いものに蓋をする」スタンスが生んだ結果ではないでしょうか。
要するに自分たちではどうしようもない問題だからといって責任放棄してしまったのです。