おそらく孤児院で育った彼女は、親の愛を感じたことがなく人を愛することも愛されることも信じられずにいたはずです。
冒頭に登場する彼女の様子は、どこか人を寄せ付けないものがありました。
父親に愛されていたと確信したナンシーは、初めて愛情というものに触れたのではないでしょうか。
命をかけて守るという愛
薄れゆく意識の中、父親が戦う姿をみたナンシーは何か心に決めたように立ち上がっています。
それまで二つの記憶に悩み生き方を迷っていた彼女が、この時強い意志を持って生き方を選んだのです。
ナンシーは自分の為に行動をしているような女の子でしたが、父親リンの愛情を知ってからは大きく変わっています。
他者を思う気持ちが彼女の言動に現れているのではないでしょうか。
スーは母親的な存在
リンの相棒として登場していたスーですが、ラストシーンでは親子三人で遊んでいるようにも映ります。
考察してみると、おそらくスーはリンを上司以上の気持ちを持って見ていたのではないでしょうか。
二人の今後は描かれていませんが、スーはナンシーにとって母親代わりになる存在のようです。
父親リンの愛情が二人の女性を幸せへ導いてくれでしょう。
コメディ要素も忘れてはいない
ジャッキーの映画といえば、随所に埋め込まれたコメディ要素が人気ですが、本作にも期待通りのシーンが数多く埋め込まれていました。
アメコミ?
アメコミのようなコスプレが取り入れられていた本作は、セリフの中にもアメコミを匂わすものがありました。
誰?バットマン?
スパイダーマン気取りか?
引用:ポリス・ストーリー REBORN/配給会社:ツイン
中国と香港の合作映画ですが、ハリウッドの香りもする不思議な映画となっています。
香港映画らしいお笑い要素
ジャッキーのつもりか?
引用:ポリス・ストーリー REBORN/配給会社:ツイン
リ・スンの下手なカンフーも観客の笑いを誘います。
共演者のジャッキーの名前が出てくる内容はファンの心をつかむポイントではないでしょうか。
またチェストフライを使って、リ・スンを地下室に閉じ込めるシーンは後半の戦いの伏線になっています。
腕を鍛えておけよ
引用:ポリス・ストーリー REBORN/配給会社:ツイン
リンのセリフですが、後半リンはアンドレとの格闘シーンでチェストフライの動作を観せていました。
エンドロールは定番のNG集
ジャッキー映画といえばエンドロールに流れるNG集が有名ですが、本作でも見逃せないシーンとなっています。
しかも「ポリス・ストーリー 香港国際警察」で使用した主題歌が使用されています。
全く関係のないストーリーといいながら、主題歌を使用したのはファンへのサービス精神からでしょうか。
最後まで楽しませてくれる本作は、さすがジャッキー映画です。
アクションに隠れた親子愛が魅力的
『ポリス・ストーリー REBORN』は派手なアクションやクールなSFが魅力的な映画です。
しかしジャッキーの父親としての哀愁や愛情など、深みのある演技にも注目すべき作品といえるのではないでしょうか。