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「ノア 約束の舟」は『旧約聖書』をベースとした映画であり、北アメリカでは公開初週末3日間で約4370万ドルを売り上げた人気作品です。
特殊な作品情報だけでなく、ラッセル・クロウやエマ・ワトソンをはじめとした、豪華なキャスト陣という点でも視聴者からも高い評価を得ていました。
なかでも、映画の最後に登場した虹をはじめ、作中に登場する景色・アイテムには様々な意味が隠されているのです。
今回は、作中に登場する虹や、子供が産めないはずのイラが女の子を産んだ意味などを考察していきます。
虹が空にかかった意味とは?
新しい大陸において、再び生活を始めることになったノアの一族の頭上に、美しい虹が現れました。
世界全体を優しく包み込むように現れたこの「虹」には、様々な意味が隠されているとされています。
ここでは、突然空にかかった虹が持つ意味について考察していきましょう。
ノアの一族に対する称賛と祝福
虹が現れたのは、ノアが家族とともに洪水をしのぎ、イラが産んだ双子の娘に対して「継承の儀式」をした時でした。
ここから考えると、ノアの一族が今後とも繁栄していくことへの祝福であると考えられます。
また神からすると、ノアと家族のこれまでの行いは、天に戻った見張りの天使達を通して知ることができるでしょう。
そのため啓示を守り、愛情も忘れずに困難を乗り越えたノア一族に対する称賛を「虹」で表現したとも考えられます。
平和の象徴
また『旧約聖書』創世記の9章によると「二度と大洪水で人類を滅ぼさない」という契約の象徴として虹が登場します。
本作に登場した「虹」も、新しい世界を形成していくノアの家族や獣達の平和を約束するためのものといえるでしょう。
欲望のために啓示に背いた人間と、世界を創り直すために洪水を起こした神が和解したことを表しているのです。
ハムとトバルが手を組んだ理由とは?
物語の主人公であるノアは、カインとアベルの弟にあたるセトの子孫です。
しかし本作では、創世記の本文では語られていないカインの一族の視点も、子孫のトバルを通して描かれています。
欲望のままに行動するトバルですが、作中では度々ノアの息子・ハムと手を組むような描写があるのです。
ノアの教えで育ってきたハムが、何故敵であるトバルと手を組んでいたのでしょう。
ここでは、ハムとトバルが手を組んでいた理由について考察していきます。
神や父に対する不信感がある
ハムとトバルが手を組む1つ目の理由が不信感という共通点にあると考えられます。
トバルは、飢餓などに苦悩する人間に対して何も答えない神に不信感を抱いていました。
また「神は我々を見捨てた」とノアやハムに言い放ち、神が起こす奇跡を信じずに、武力で支配することに固執します。
対するハムは、神から与えられた使命の内容を教えてくれない父親・ノアに不信感を持っていました。
また、妻がいないことに対し「神が与えてくれる」と、はっきりしない返事をするノアに怒りを露にしていきます。