総じていえば、翔の欠点は自分の弱さ・格好悪さを認められなかったことにありました。
それを主人公ハルが見事に指摘してみせたのです。
本当はチアをやりたいんでしょ。さくらさんを理由にするのはやめなよ
引用:チア男子!!/配給会社:バンダイナムコアーツ、ポニーキャニオン
そう、翔は結局自分に蓋をして、口実を作って逃げていただけなのです。
ここで初めて翔は自分の弱さに気付き、それを認めてチア部に参加することを決めました。
要は背中を押してくれるきっかけが欲しかっただけではないでしょうか。
実力やポテンシャルは凄まじいものを持っていたのですから、後はやる気だけです。
ハルが晴子に本音を伝えた理由
物語のクライマックスは学祭当日のチア男子の見事な演舞で幕を閉じます。
ここでハルはこれまでずっとチア部に猛反対していた晴子に来て欲しいと伝えるのです。
何故彼は大会当日にこのような本音を伝えたのでしょうか?
認めさせたい
まず最大の動機としてあったのはチア男子としての自分を晴子に認めさせたいという思いです。
姉・晴子は冒頭のシーンで柔道を辞めた一馬のことを「何をやっても中途半端」と詰っていました。
ハルにとってそれは自分を悪くいわれているのと同じような思いがあったのではないでしょうか。
だからこそ何が何でも認めさせたいと、チアに本気で入れ込んでいるのだと伝えたかったのです。
自分と一馬が中心になって作り上げてきたもの、それを認めて欲しいのは誰よりも自分の姉でしょう。
一馬が認めてくれたから
2つ目に晴子が散々馬鹿にした一馬はハルの長所を見事に指摘し、適性を認めてくれたのです。
今までハルの応援の声に力をもらっていた。ハルには応援の力があるんだよ
引用:チア男子!!/配給会社:バンダイナムコアーツ、ポニーキャニオン
そう、冒頭の晴子を応援するシーンといい、ハルは表舞台に立つよりも応援の方が向いています。
そのことを認めてくれた一馬を馬鹿にして見下す姉を許せなかったのではないでしょうか。
チアは女子がやるものだというのは固定概念でしかありません。男子にだって応援団があるのですから。
その応援の形がチアになったところで、形式的なものが変わっただけに過ぎません。
一馬が認めてくれた自分の個性を大事にしたいという思いがそうさせてくれました。
覚悟と決意
3つ目にハルの言葉には前向きな覚悟と決意が感じられ、序盤の弱気な雰囲気はどこにもありませんでした。
チア部の仲間たちと共に様々なプレッシャーと戦ってそれをはね除けて大成したのです。
それを姉に宣言し、見て貰うことで逃げないようにしているのでしょう。
チア部は決して女子だけがやるものではないし、格好悪いものなどでは全然ありません。
そのことを身を以て証明することで、新しく生まれ変わった本来のハルとなるのです。
それだけの熱意を集大成として込め、前へ突き進む原動力としたことが窺えます。
チア部に入った彼らの共通点
チア部に集まった男子はハルと一馬を中心に考えも個性もバラバラな連中でした。
しかし、そんな彼らも共通点が幾つか見受けられ、その共通点で団結出来たのです。
ここでは7人の共通点を掘り下げていきましょう。
不器用
まず1つ目に7人全員が不器用で自己表現が下手であるということです。