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マーク・ウォールバーグが主役でアメリカ特殊部隊のジェームズ・シルバを演じた、2018年公開のアクション・サスペンス映画『マイル22』。
イコ・ウワイスが演じるリー・ノアによるラストの衝撃的展開は、さすが特殊部隊関係の作品を多く手がけてきたピーター・バーグ監督でした。
本作では映画冒頭で「18歳の少年」と報道される少年が、シルバに殺される前に意味ありげな言葉をつぶやきます。
容赦なくシルバは殺害しますが、実はこの言葉に大きなどんでん返しが隠されていました。さらに、それに加担しているようなリー・ノア。
一体ノアの本当の正体は何だったのでしょうか。そして映画ラストではノアの写真を見つめるシルバ。
その時の、シルバの心情はおそらく想像を絶するものがあるでしょう。今回はこの三点について考察していきます。
少年は「ヤバい子」だった
映画冒頭で、あまり舞台の設定もよく分からないまま少年は殺されます。
おそらく何か大きなバックがいるかのような雰囲気もありますが、詳しいところは分かりにくかったです。
(俺を殺すと)後悔するぞ。
引用:マイル22/配給会社:STXエンターテインメント
この言葉には、雰囲気通り組織の一員であることが示唆されており、さらに組織の大きさが隠されていました。
母親がロシア軍の指導者的立場
映画の途中途中で、何度かスーツ姿のシルバが登場しますが、あのシーンは実は映画のラストの展開が終わった後の面接シーンです。
簡単な話だ。マズい子を殺した。息子を亡くした母親は権力者だった。
引用:マイル22/配給会社:STXエンターテインメント
これはシルバが所属していた特殊部隊「オーバーウォッチ」の司令塔であり、「マザー」と呼ばれた本部が襲撃を受けた後のシルバのセリフ。
少年の母親はロシアの権力者だったのです。母親と少年がロシア出身であることは、言葉から分かります。
権力者の息子である少年は、自分を殺すとロシア政府や軍が動くことを警告していたのです。
パスワード入力後のPC画面
ノアにハードディスクのパスワードが開いた後、マザーにある通信設備がハッキングされたような状態になります。
その際、PCの画面上には最初、少年の母親の顔が映し出されていました。
しかし、その母親の顔は徐々に少年の顔に変わっていきます。これは、少年と母親が親子関係であることを表していたのです。
「俺を殺すことは得策じゃない。だから殺すな」という意味を込めて少年は、シルバに訴えかけました。
しかしシルバは冷静にこの言葉を受け止められなかったので、ラストでマザーが襲撃されるような事態を招くのです。
隠されたノアの正体とは?
作中最も謎に包まれており、最後まで正体を明確に示さなかったのはリー・ノアでしょう。
このリー・ノアですが、どうやらロシアが送り込んだ「三重スパイ」のようです。
司令塔が直前に気付くノアの正体
ジョン・マルコビッチ演じるマザーの司令塔ジェームズ・ビショップが襲撃される直前、ノアの正体に気付きます。
(リー・ノアは)二重じゃない。三重スパイだ。
引用:マイル22/配給会社:STXエンターテインメント
ロシア政府がインドカーに送り込み、そのインドカーの地元警官であるかのようにアメリカに亡命しようとするノア。
しかし、元はロシア政府に雇われたスパイであることから、三重スパイだと言われるのです。これが、ノアの本当の正体でした。
スパイ活動を行う目的
では、スパイ活動を行っている人物であることは分かったとして、一体何が目的なのでしょうか。
そもそも政府とは何だ。脈も手の指もつま先もない。だが復讐心は生身の人間と変わらない
引用:マイル22/配給会社:STXエンターテインメント
これは映画冒頭で、面接を受ける際のシルバ(時系列的には映画ラスト)のセリフです。
詳しくは後述しますが、ノアの大きな目的はロシア政府の復讐心を果たすことであることが分かります。
その復讐心は誰が抱いているのかというと、シルバに殺された少年の母親。その復讐心とロシアの威厳が、ノアを動かしていました。