出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07MJC2QTD/?tag=cinema-notes-22
2018年に映画化された『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』は、小林陽一の小説「オズの世界」を原作とした映画です。
「不思議の国の波平さん」というタイトルで漫画化もされた本作は、モデルとなったグリーンランドでの撮影となりました。
遊園地という夢の世界の舞台裏をユーモアたっぷりに描いています。
西島秀俊演じる小塚慶彦が企画書を無視し続けた意図は一体何だったのでしょうか。
また風船サプライズ企画の狙いを徹底考察していきましょう。
都会女子の波平が地方で奮闘する心内を紐解いていきます。
小塚が企画書を無視し続けた意図
企画事業部という仕事にこだわり、企画書を出す久留美を無視し続けた小塚ですがその意図はなんだったのでしょうか。
まだ早いという決断
グリーンランドへ来たばかりの久留美は、園内のことを何も把握せず笑顔さえ出しません。
ただ今じゃないかなって
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
小塚が訂正した企画書をすぐに久留美に見せなかった理由は、今見せても理解できないと判断したのでしょう。
なぜダメなのか、何がダメなのかグリーンランドへ来たばかりの久留美にはわからなかったはずです。
当初の久留美はかつての自分とそっくりだったからこそ、小塚は企画書を無視していたのです。
彼女はまだ遊園地の本質を分かっていない、という思いが小塚の心にあったのでしょう。
久留美は映画の後半で以前の自分の企画書を読み、自身でも全然ダメだと感想を漏らしています。
お客さんが求めているものを知って欲しかった
なんでこんな意地悪するんですか、ゴミ拾いや雑用ばっかり押し付けて
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
小塚は企画書を提出する代わりに、園内のゴミ掃除を命じていますがそこには深い訳が隠されています。
久留美の上記の言葉に対し、ゴミ拾いを楽しいと返した小塚…。
当初は彼が綺麗好きだからゴミ拾いが楽しいのかな、と感じます。
しかし、その本当の理由は後半で園長がいった下記のセリフで明らかにされます。
ゴミはお客さんが楽しんだ証拠だからな
引用:オズランド 笑顔の魔法おしえます。/配給会社:HIGH BROW CINEMA,ファントム・フィルム
小塚は、企画書を書く前にお客さんが求めているものを知って欲しいと考えたのです。
だからこそ、久留美にゴミ拾いをさせていたのでしょう。
お客さんはどんな楽しみ方をしているのか、何が楽しいと感じているのか、まずは現場で感じろということだったのです。
玖瑠美が嫌々仕事をしているのを知っていた
彼はおそらく久留美が望まない配属でグリーンランドへ来たこと、仕事を嫌々やっていることを見抜いていたのでしょう。
実際に久留美は彼氏と同じホテルチェーンへ就職したかっただけなので、かなりの不服を顔に出していたといえます。
人を楽しませる遊園地で、彼女はある意味異質な存在だったのです。