1993年から続くシリーズのなかで実世界同様の時間を経て、パーク内で生き延び劇中では29歳と設定されています。
実際のティラノサウルスも30年程生きていたと考えられており、設定にもこだわりを持っているようです。
原作と違う箇所は多い
マイケル・クラントンの小説をすでに読んでいる方はお気づきかと思いますが、映画版「ジュラシック・パーク」は所々原作と違う部分があります。
その中のいくつかをピックアップしてみました。
姉弟の設定が逆
大きな違いの一つに登場する子供たちの設定があります。
劇中ではレックスが姉で、ティムが弟になっていますが、原作ではレックスは妹でティムが兄という設定です。
映画版ではなかなかの活躍を見えるレックスとティムですが、原作の兄妹は映画版よりも頼りなく子供らしさを強調した設定になっています。原作の方がより子供らしく現実味のある設定といえます。
マルコム博士は重要人物
劇中でも活躍しているマルコム博士ですが、原作ではジュラシック・パークについてかなりの尺をとり反対しています。
自然に人間が手を加えてはいけないということを、ずっと言い続けているのです。
劇中でもマルコム博士はおなじことを主張していますが、映画という限られた時間のせいかジュラシック・パーク反対の意見はあまり多く取り入れられていません。
更に原作では死ぬほどの大怪我を負い(続編で復活していますが)前編では死亡したことになっています。
ティラノサウルスが泳いでいる
原作にしかないシーンですが、登場したティラノサウルスが泳ぐという設定もあります。
しかし実際にティラノサウルスが泳いだかは学術的に判明しておらず、体のつくりを考慮した場合に足が重くて泳げないという説もある為、映画では使用されなかったようです。
原作を映画でおさめるのは難しい?
原作と比較した場合、やはり縮小されたシーンが多いのは否めないようです。しかしその分映画では重要なシーンやセリフが凝縮され、観るものの心に届きやすくなっています。
登場人物のセリフや行動のひとつひとつに注目して観ると、映画をより深く楽しむことが出来そうです。
生命倫理を問われる作品
ジュラシック・パークは単なるパニック系映画ではなく、化学の進歩や生命倫理への警告が含まれている映画です。
クローンへの賛否
世界中で問題視されているクローン技術は、いまだに意見の分かれる所です。
作品の中ではクローン技術によって蘇った恐竜たちが大暴れしていますが、マルコム博士は下記のように警告しています。
科学者たちは、何ができるかに夢中になって、それをするべきかどうかは考えない
引用:ジュラシック・パーク/配給会社:ユニバーサル
人間の追求心に警笛を鳴らす奥深いセリフです。
命を生み出すのは化学への過信
劇中で人間は自分たちの娯楽の為に命を創り出してしまいます。
本物の恐竜を観てみたいという気持ちは誰しも持っている好奇心ですが、それを実現してしまうのは自然の摂理に反します。
神は恐竜を創り破壊した。神は人間を創り、人間は神を破壊した。そして人間は恐竜を創った。
引用:ジュラシック・パーク/配給会社:ユニバーサル
生み出された恐竜にとっても悲劇
人間によって勝手に創り出された恐竜も命を持っています。
かつて地上にいた動物とはいえ、人間の化学が生み出した生き物はかつてと同じように生きることが出来るのでしょうか。