そして3つ目にクロフト社の子会社であるパトナ社がトリニティに物資の横流しをしていました。
しかも無許可で何の報連相もなくそれを行っているので完全な不義理・裏切り行為です。
これを黙認していてはトリニティがのさばるのはおろかクロフト社の損害ともなります。
そうした子会社の始末もまた使命の1つに入っていたのではないでしょうか。
真の敵は外側ではなく内側にいるという構図が非常に現代的な巧妙さとして機能しています。
これらを娘に理解して貰うには1度娘と離れ離れにならないといけなかったのでしょう。
一緒に居続けると娘が父にベッタリしてしまい何も出来なくなるからです。
最後に銃を買った理由
過酷なミッションを終え、逞しく成長したララは父の跡を継ぐ決心を固めます。
彼女は最後に質屋に行って銃を2丁買うのですが、それは何故でしょうか?
ヒーロー誕生
まず1つ目にララが過酷なミッションへ向かうヒーローとしての決意を固めたからです。
それまで跡継ぎを渋っていたララが遂にヒーローになる瞬間をこの拳銃の購買で描きました。
現に彼女の表情は冒頭の時とはまるで違い一切の迷いやためらい・雑念がありません。
体つきは細いながらもしなやかな強さを冒険で手にしたララが本物のヒーローとなったのです。
彼女が無敵のヒーローとして活躍するのは寧ろここからが始まりだといえるでしょう。
アナとの対決
2つ目に、これが真の理由ですが経営を任せているアナとの対決が控えています。
何故アナとの対決になるのかというと、彼女も実はトリニティに関与していました。
後述するアナの目的とも繋がりますが、要するにアナは会社に不義理を働いたのです。
そのような危険人物を経営に置いておくことは後に憂いとなると踏んだのでしょう。
そのアナをいつでも始末できるようにララは銃を買ったのです。
父と母の遺志を受け継ぐ
そして3つめに父と母の遺志を受け継ぐことがこの質屋のシーンで示されているからです。
どういうことかというと、2つの銃は父から受け継いだ「強さ」を象徴しています。
そしてもう1つ、前半で質屋に売った母の形見のペンダントを取り戻したのも大事なポイントです。
ここでララは母から「優しさ」を受け継ぐことを改めて決意したのではないでしょうか。
これが恐らくはアンジェリーナ版のララと差別化を図ったところでありましょう。
線が細く柔らかい分強さだけではなく優しさや母性も感じさせるララとなったのです。
アナの目的
本作のラストでアナがトリニティと子会社の癒着に関与していることが判明しました。
殆ど表面に描かれない彼女の目的は果たして何でしょうか?
横流しによる金儲け
まず1つ目に横流しによって子会社から利益を吸い上げることではないでしょうか。
経営という2番手ポジションにいるのも金儲けをやりやすくするためです。
信頼される経営者ということであれば怪しまれることは基本ありません。