モリーの幼少期に言いたかった言葉を引き出すことで、少しでもモリーにとっての不安要素を取り除きたい。
また、もし有罪となっても、家族の元へ帰る居場所づくりを行う。父親がモリーに会う目的はこの2つなのです。
そのためには、モリーのトラウマは必ず弊害になります。それを取り除くことで、帰る家を作ろうとしたのでした。
トラウマを作ったのは父親の不貞行為?
父親がモリーに対して厳しく当たったのは、父親の不貞行為(らしき行動)をモリーが目の当たりにしたからでした。
5歳のとき目撃した。意味はよく分からなくとも。
お前は知っていた。だからこそ私は負い目を感じていた。そしてお前は私を心の底から軽蔑した。
引用:モリーズ・ゲーム/配給会社:STXフィルムズ
明確に語られていませんが、モリーは5歳のころに、父親の妻に対する裏切り行為を見かけています。
父親はそれに負い目を感じていたのです。結果的に親子関係はギクシャクします。
父親はその原因を作ったことを謝るため、モリーの元へ訪れるのでした。
マフィアを会ったのは仕方なく
最後になぜ、モリーとロシアンマフィアがつながったのかを考察します。
真っ当にゲーム運営をしていたはずのモリーでした。当然、モリーからマフィアに取り入ろうなどとは思っていません。
しかし、仕方なくマフィアに会うことになったのです。
運転手のパット
三件目のゲームを運営しているとき、モリーの運転手兼ボディーガードであるパットがいました。
そのパットがニューヨークのヘッジファンドがゲームに参加したい、とモリーに話を持ちかけたことが、マフィアとのつながりになります。
これは、モリーがパットの顔を立てるために仕方なく会ったのです。このヘッジファンドが、ロシアンマフィアでした。
つまりパットがマフィアとつながっており、モリーは利用されたのです。
マフィアとつながってしまったのは、パットが原因なのでした。
金の匂い
モリーはポーカーによるゲームの運営において、これまでの知識や経験を余すことなく発揮し、さらに知識を吸収しています。
その結果自分で豪語するほど「世界一のゲーム運営者」になりました。
しかし、いくら真っ当な運営をしていても、それらの世界には裏がはびこるもの。それが、ロシアンマフィアなのでした。
マフィアはパットを使い、世界一の金の匂いのする場所に踏み込んできます。
つまりモリーがマフィアを引き込んだというよりは、マフィアが金の匂いにつられてやってきたということです。
真っ当な運営をしていただけに、手段を選ばない相手に勝てる見込みはありません。それが、ホテルの部屋での事件につながるのです。
欲望の世界で生きる天才
本作はさまざまな世界の裏事情の真実(映画冒頭で真実の物語と紹介)がありました。
裏の世界で才覚を現したモリーでしたが、欲のある者に裏切られ、最後にはその者たちを守るために、モリーは自ら犠牲になります。
裁判では軽微な罪で終わりますが、前科持ちという現実は残る中、モリーは今後をどう生きていくのでしょうか。
本作をより面白く見るには、カジノの現状やアメリカの法律に詳しくなる必要があります。
つまりモリーのように貪欲に学べば、面白い考察点が見つかるということです。
その覚悟がある者だけが、大富豪になる要素のある人間なのかもしれません。