本作において人類とアザーズの問題に関しては何の解決もしていません。

アザーズが取った侵略行為や滅亡の脅威はまだ何も解決していないのですから。

そうなるとエヴァンの生死の真相は続編で明らかになるのではないでしょうか。

キャシー達に出来ることはそれまで「待つこと」と「生きること」です。

子供たちを兵士にする理由

少年ゲリラ兵の告白―陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊―(新潮文庫)

さて、本作では軍隊が子供たちを兵士にするという展開がありました。

普通なら成人した大人を狙いそうなものですが、何故子供たちなのでしょうか?

ここではその理由について考察していきます。

思考がシンプルだから

スーパープログラマーに学ぶ 最強シンプル思考術

まず1つ目に子供たちの思考がシンプルだからということが挙げられます。

子供達に比べて大人だと思考が複雑なので検査も複雑なのです。

その点子供はまだ思考も発達しておらず余計な雑念や邪念がありません。

だからこそアザーズへ対抗する尖兵として改造するにはうってつけなのでしょう。

少年兵を作るのは実際にそういう理論・理屈から成されるともいわれます。

逆にいうと、アザーズからすれば地球の大人の方が脅威だと見られているのです。

感染から生き残ったベン

2つ目にウィルス感染から生き残ったベンという奇跡の若者がいたことです。

彼は1度毒性ウィルスにかかっているのに、何故か死なずに無事でいます。

アザーズの侵略から生き残った者がいること自体が1つの希望となるのです。

しかもサムを連れて行かないなどリーダーとしての配慮も彼なりに行っています。

そうした判断力があることからも柔軟性があるといえるのではないでしょうか。

アザーズの作戦

そして実はこの子供達を兵士にする作戦自体が実はアザーズの作戦でした。

そう、ベンたちは見事に騙されて人間同士で殺し合っていたことになります。

寸前で気付いたからよかったものの、下手すれば彼らの命も危なかったでしょう。

それ位彼らは脅かされており、アザーズからすれば舐められていたのです。

規模が小さくなる分今度は手口の巧妙さが際立つ構成になっています。

人間同士で殺し合わせる意味

いま「ヨーロッパ」が崩壊する〈上〉殺し合いが「市民」を生んだ (カッパ・サイエンス)

こうやってベン達はいつの間にか人間同士の殺し合いをさせられていました。

果たしてここまで手の込んだことをさせることに何の意味があるのでしょうか?

人類の淘汰

人類の進化 試練と淘汰の道のり―未来へつなぐ500万年の歴史

まずエヴァンが語ってくれていますが、殺し合いの目的は人類の淘汰です。

しかも自分たちの手は一切汚さない所が非常に狡猾で卑劣ではないでしょうか。

そう、大量殲滅でありながら力任せではなく頭脳面での知略が光る構造になっています。

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