この違いがあるため、ラムズリーが天国に行けることはないのです。

むしろ、エドワードやエリザベスと同じように天国に行くことは不自然と言えるでしょう。

つまり2つのゴーストを対比させるために、ラムズリーは地獄へ落とされたのです。

悪霊であるから

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映画内でリオッタが指摘したように、屋敷内には「悪霊」がおり、それはラムズリーを指していました。

悪霊は、墓のゴーストたちを呼び起こし、サラをも利用しようとしています。その悪霊が天国に登ることはあり得ないでしょう。

ゴーストでなくなる以上、ラムズリーは地獄落ちしなければなりません。

墓場の霊を呼んだ時、地獄の炎(炎の龍)は、当然ラムズリーを地獄へと導くのでした。

ミケランジェロ作「最後の審判」

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次に疑問に思うことは、なぜラムズリーの元に現れた炎が龍の形をしていたのかということです。

これは、ミケランジェロ作「最後の審判」に疑問を解決するヒントが描かれていました。

この作品には、地獄へ落ちる人々の様子が描かれており、その人々を裁く役割であるカロンの体には蛇が巻き付いています。

ラムズリーに巻き付いた龍は、蛇の姿をより恐ろしく描いたものであり、今からカロンによる裁定が始まることを示唆しているのです。

キリスト世界における地獄

ラムズリーが炎の龍に巻き付かれ、地獄に落ちるシーンを考察する上で、キリスト世界における地獄を理解しておく必要があります。

キリスト世界にとっての地獄は、まさにラムズリーの行ってきた犯行に対する「評価」を与えるシーンでした。

刑罰を与え、神の怒りを表す

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キリスト世界における地獄とは、落ちてきた者に対して刑罰を与える、もしくは神の怒りを表す場だとされています。

キリスト教での地獄は一般的に、死後の刑罰の場所または状態、霊魂が神の怒りに服する場所とされる。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/地獄_(キリスト教)

つまりラムズリーが地獄に落ちるのは、これまでの犯行に対する刑罰であると同時に、神の怒りに触れたことを表しているのです。

とくにキリスト教では、「隣人愛」と言われるほど、人を愛することの大切さが説かれており、エドワードとエリザベスがそれを体現します。

その2人の愛を引き裂こうとしたラムズリーは、神の怒りに触れ、地獄の炎に巻かれてしまうのです。

愛することができていない

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先述したように、キリスト教では「愛すること」が重要視されており、もちろん恋愛だけでなく、人間的な「愛する」も含まれます。

そう考えると、2人の屋敷の人間であった召使いたちにも愛されてはいないラムズリーは、人の愛を知らない人物として描かれていました。

地獄を霊魂の死後の状態に限定せず、愛する事が出来ない苦悩・神の光に浴する事が出来ない苦悩という霊魂の状態を指す

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/地獄_(キリスト教)

死後だけでなく「人を愛することができないことが地獄」と考えるのは、キリスト教のとくに正教会に見られる考え方です。

これに合わせて考えると、ラムズリーはやはり地獄の条件に当てはまる人物なのでした。

ラムズリーが間違った方向性

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手紙をすり替えた犯人であるラムズリー。その目的は、屋敷を守るためというエゴ的なものではありませんが、そこに愛はありませんでした。

結果的に間違った行動、間違った手法に頼るラムズリーが、本作のキーマンです。

ディズニー映画であるために、子ども向けに分かりやすい内容となっていますが、より深く欧米の文化を知ると深く理解できる作品でした。