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【最初の晩餐(ネタバレ)】おはぎに涙ぐんだ理由を考察!なぜシュンにだけ真実を伝えていた?日登志の遺言の意味を読み解く

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B083Y3RZ4M/?tag=cinema-notes-22

映画『最初の晩餐』は2019年公開の常盤司郎監督作品で、染谷将太が主演を務めています。

更に戸田恵梨香・永瀬正敏・窪塚洋介・斉藤由貴ら豪華俳優陣が脇を固めるなど隙がありません。

父・東日登志の通夜で再会した家族が思い出のレシピを通して、繋がりを再生させる物語です。

古き良き日本の家庭像などを映像・脚本の両面で押し出した本作は以下の功績を残しました。

第34回高崎映画祭
最優秀監督賞(常盤司郎)
最優秀助演女優賞(斉藤由貴)
最優秀助演男優賞(窪塚洋介)
最優秀新人男優賞(楽駆)
第29回日本映画批評家大賞
主演女優賞賞(戸田恵梨香)
助演男優賞(窪塚洋介)

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/最初の晩餐

家族の絆が希薄となっている現代において、改めて正攻法で家族の在り方を問うています。

本稿では麟太郎がおはぎに涙ぐんだ理由をネタバレ込みで考察していきましょう。

また、日登志がシュンにだけ真実を伝えていた理由や彼の遺言の意味も併せて読み解きます。

料理と家族

家族の朝ごはん (立東舎 料理の本棚)

本作の大々的な特徴は「料理」によって家族が絆を取り戻していく構造であるということです。

ホームドラマというと、兄弟間のいざこざや親子の確執といった人間ドラマが想起されるでしょう。

しかし、手料理や家具といった「思い出の品」にまでは中々目が行き届かないものです。

お袋の味」といった言葉を久しく聞かなくなったこともその現われといえます。

ドラマを構成するパーツになることはあっても、物語の核にまでなることは普通ありません。

その普通では考えられない発想に目をつけ、ドラマを展開したのが本作の白眉ではないでしょうか。

父の死を通して明らかとなる家族の真実の物語が伝えてくれることを本題に沿って読み解きます。

おはぎに涙ぐんだ理由

飛騨屋 飛騨高山おはぎ つぶあん6個セット(ギフトパック)

本作のラストで麟太郎は恋人の小畑理恵からおはぎを受け取った時、涙を流しました。

染谷将太の名演技が光る集大成のシーンですが、この涙は何故出たのでしょうか?

父の知らない側面を知った

あなたの知らない「家族」―遺された者の口からこぼれ落ちる13の物語 (シリーズ ケアをひらく)

まず1つ目に、麟太郎が知ったつもりでいた父の知らない側面を改めて知ったからです。

家族だったのに知らないことを知った悔しさと悲しさの涙だったのではないでしょうか。

後述するシュンにだけ話した真実も含めて、家族なのに隠し事が多かったのです。

いや、むしろ家族だからこそ隠し事を抱えて生きていたのかもしれません。

寝食を共にしていながら、本当の好物すら分かっていなかった自分に息子の資格があるのか?

おはぎを見た瞬間にそのように思えたから涙を流したのだと推測されます。

家族の無意識の本音

本音に気づく会話術

2つ目に、そんな麟太郎の涙は同時に家族の無意識の本音でもあったからです。

このラストシーンの前に、父が家族の為に残した手料理のレシピを見るシーンがあります。

そこで麟太郎達は実は魚やキノコが嫌いであるという事実を初めて知ったのです。

そう、麟太郎のみならず他のみんなも父の知らない面が余りにも多すぎました。

ここから日登志が相当な秘密主義であったことが窺え、同時に家族の絆への批判も込めています。

家族だから何でも知っているべきというのが実は常識ではなかったことをやっと知ったのです。

父の強さを知ったから

そして3つ目に、そんな父・日登志の強さを実感出来たからです。

自分の好き嫌いや隠していた真実なども全てを1人で背負い込み、家族の大黒柱であり続けました。

自己犠牲ともいえる生き方ですが、父は家族に苦しみや悲しみを与えたくなかったのでしょう。

家族が苦しむ位なら自分が矢面に立って耐えることでみんなを守ると心に決めていました。