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公開前から映画内容や主人公を演じる声優に関して賛否両論が飛び交うなど何かと話題の多かったジブリ映画が「風立ちぬ」です。
子どもから大人まで幅広い年齢層から支持される作品を制作するイメージが強いジブリ映画ですが「風立ちぬ」は大人が考えさせられるストーリーとなっています。
今回は「風立ちぬ」の物語に込められた宮崎駿監督の真意を徹底考察していきます。
複数の原作や原案から生まれた「風立ちぬ」を声優や曲へのこだわりにも注目して解説していきます。
原作や原案が複数存在
「風立ちぬ」は複数の原作や原案が交差して生まれた作品です。また初めて実在した人物を主人公として描いた映画となりました。
主人公は実在人物
「風立ちぬ」の主人公、堀越二郎は1903年生まれの実在した人物です。
さまざまな戦闘機の設計を行った航空技術者として実際に活躍しており、技術習得のために海外へ派遣されたエピソードや丸眼鏡をかけた外見などは映画の内容と同じです。
堀越二郎は宮崎駿監督のマンガ「風立ちぬ」の主人公でもあり、このマンガを原作として映画「風立ちぬ」が制作されました。
小説「風立ちぬ」
二郎と菜穂子の二人の物語や菜穂子の背景などは堀辰雄の小説「風立ちぬ」が基盤となっており小説の中では「節子」という婚約者が結核を患っています。
「菜穂子」という名前は同じく堀辰雄の小説のタイトルとなっている「菜穂子」から採用しています。
原作マンガ「風立ちぬ」
宮崎駿監督の原作マンガのタイトル「風立ちぬ」は堀辰雄の小説「風立ちぬ」を使用しています。
映画の原作となったマンガですが主人公はもちろん堀越二郎です。
マンガ「風立ちぬ」は映画を制作するために描いたものではなかったので多くの登場人物が擬人化した豚の姿で登場しています。
オリジナル要素を加えて映画「風立ちぬ」が完成
このように映画「風立ちぬ」は複数の原作や原案に映画独自のオリジナル要素が盛り込また作品です。
実在した人物が主人公ですが、宮崎駿監督のさまざまな真意や意図がところどころに組み込まれたフィクション映画といえます。
飛行機が大好きな宮崎駿監督
「風立ちぬ」では美しい飛行機の設計に没頭する堀越二郎ですが宮崎駿監督も飛行機が大好きです。
映画に登場するカプローニが創立したカプローニ社が製作した飛行機の名前に「GHIBLI」と呼ばれた軍用偵察双発機があります。
この名前がスタジオ・ジブリの由来になったそうです。
宮崎駿監督は軍用機の名前をスタジオの名前に使用するほどの飛行機好きということもあり「風立ちぬ」の制作には一際違う思い入れがあったのかもしれません。