出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B08FYWYKKS/?tag=cinema-notes-22
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』は2017年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画です。
第74回ヴェネツィア国際映画祭で上映されてFIPRESCI賞を獲得した実績のある作品で、日本では2019年に岩波ホールで公開されました。
内容としてはニューヨーク公共図書館を利用する人々や働く職員たちを映したカットを次々と切り替えていく作品です。
こちらでは「図書館は人である」の意味、図書館が手を差し伸べるべき人々の存在を主に考察していきます。
ニューヨーク公共図書館とは?
そもそもニューヨーク公共図書館とは、どのような図書館なのでしょうか。
ニューヨーク図書館はアメリカのニューヨーク市にある公共図書館で、世界屈指の規模を持っている図書館とされています。
図書館は観光名所とされており、映画「Sex and the City」などの撮影ロケ地としても使われていました。
利用に関しては原則無料で、ニューヨーク市に住む、または勤務している人であれば誰でも会員になれます。
ニューヨーク公共図書館が他の図書館と異なっている部分は、子供たちへの教育や就職に関係する講座を行っている部分です。
日本の図書館は本の貸出やリクエスト・予約ぐらいなので、教育や就職に関係する講座を珍しく見えるでしょう。
「図書館は人である」の意味
ドキュメンタリーの最中で紹介された図書館建築で実績のある建築家の女性が出てきますが、彼女は「図書館は人である」と語ります。
彼女はなぜ図書館を人と称したのでしょうか。考えられる要素は3点です。
人同様に知識を蓄える場所である
図書館は本を貯蔵していく場所ですが、言い換えれば本を通して知識を蓄える場所とも考えられます。
人も本を読めば知識を蓄えることができますし、その知識は人に伝えることが可能です。
知識を蓄えて誰かに伝えられる点で見れば、図書館は人であると考えたのではないでしょうか。
図書館は人々が納めた税金で運営されているから
建築家の女性曰く、欧州の図書館は税金を使って運営されているそうです。
人々が払った税金を公共の場所に使っているので、人々に還元するべきであると考えを持っています。
人として生きる上で必ず払うであろう税金で運営され、知識を得たいと目的を持った人たちが使う。
人の存在があって図書館は必要とされるので、図書館を人と称したのではないでしょうか。
図書館を始まりとした教育サービスを展開するから
ドキュメンタリーの中にはトークショーを始めに、職員が子供たちに勉強を教えたり、演奏会を開いている場面があります。