元々独り身だった彼女が田島と関わるようになり、急に独り身になった気持ちを理解できるようになったのではないでしょうか。
田島の墓を建てたタイミングは、彼と近い距離にあったのは特別な関係でもない彼女1人だけです。
死んだ彼の墓を建てる人は誰もおらず、可哀想に思った彼女が衝動的に建てたのではないでしょうか。
作品が訴えたいこと
複数の愛人と別れるために偽の夫婦を演じた2人の関係性を描いた『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』。
この作品では、視聴者に何を訴えようとしているのでしょうか。考えられる要素は2点です。
金が全てでは無い
この物語の舞台は終戦直後で、田島は周りに比べてお金を持っている人物です。
彼は青森に疎開している妻と子供にお金の仕送りをしておりますが、お金以外の物を送ることができませんでした。
結果、妻と子供に見放されて独り身になってしまいます。
また、花屋の青木と縁を切るために手元にあったお金を彼女に握らせて強引に別れましたが、彼女の自殺騒動に巻き込まれました。
その後、仕事の関係者であった水原に仕事とプライベート共に縁を切られてしまいます。
一連の流れはそれぞれお金があれば、どうにでもなると考えていた田島の傲慢です。
お金では何でもできないということを伝えたいのではないのでしょうか。
自分の行動は全て返ってくる
妻と子供がいるにも関わらず複数の愛人を持った田島の状況は、視聴者からは「ろくでなし」と感じるでしょう。
そして物語は愛人と別れるために、嘘の妻と彼女らに会いに行くというのが始まりです。
穏便な形で愛人と別れられると思いきや、妻と別れることになっては愛人が関係した仕事にも問題が発生します。
最後に田島は何者かに襲撃されて記憶喪失、その後は炭鉱で2年間労働する羽目になってしまいました。
彼は後に記憶を取り戻しますが、それまでの過程は田島がやってきた悪行が自分に返ってきたといえるでしょう。
まとめ
複数の愛人と別れるために嘘をつこうと奮闘する男と彼の嘘に付き合った女性を描いた『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』。
疎開地に妻と子供のいる男が、複数の愛人と穏便無く別れようとする様に苛立つ方がいるでしょう。
ですが、女をたぶらかした田島にも天罰が下るような展開になっているので、後味悪い感じにはならない作品ですね。