とにかく一番になりたい、という泉一ですが彼の周りにはいつも愛する家族がいます。
彼の転機を作ったのも妻であり、きっかけとなったのも両親の写真です。
またやればいいじゃない
引用:金メダル男/配給会社:ショウゲート
頼子も彼を見捨てることなく、息子共々支えています。
ハチャメチャな生き方に見えますが、愛する息子からもらった金メダルは彼の人生に対する金メダルだったのではないでしょうか。
ひとつのことを全うしなくてもいい
映画の感想を見ると「自分の生き方を肯定されたようだ」という意見が多く見られます。
理想ではないけれど、人生のリアルを描いた作品といえるでしょう。
思った通りに生きていい
思った通りに生きなさい
引用:金メダル男/配給会社:ショウゲート
泉一の母はいつもこの言葉を投げかけていました。
彼は自由人の父親と寛容な母親がいたからこそ、思うように生きることが出来たのでしょう。
一見ふらふらしているような人生ですが、決して不幸ではありません。
心に従って生きることは、幸せなことなのではないでしょうか。
模範的な生き方をしなくてもいい
あっちゃこっちゃ手を出さずに、ひとつのことを全うするもの大切
引用:金メダル男/配給会社:ショウゲート
劇中で難波寅太は上記のセリフを口にしますが、これは一般的にいわれている模範的な生き方です。
正しいことのように聞こえますが、100%正しいわけではありません。
ひとつのことを全うする生き方は、生き方のほんの一例なのです。
人生は上手くいかないのが当たり前、転がりながら楽しみながら生きていけばいい、この映画はそんなメッセージを投げかけてくれます。
色々やっていれば役に立つ
こちらも面白可笑しく描かれていますが、彼は漂流した際に無呼吸泳法で生還したり小手でハゲタカを追いやったりしています。
これまでの経験が彼を生き延びさせたのです。
無駄だと思われる人生経験も、自分にとっては必要な経験なのでしょう。
メッセージ性の高いコメディ映画
青年期を演じた知念侑李は内村光良と親子のようだ、とかねてからいわれています。
彼は本作品が初主演とは思えない演技で、楽しませてくれました。
そしてスピード感あふれる人生模様と、自虐的な面白さはさすが内村光良といった感じでしょうか。
『金メダル男』は面白さの中にも、心温まるメッセージが詰まった作品です。
2011年上演の「東京オリンピック生まれの男」は内村光良の一人舞台ですが、こちらも併せて観たい作品といえるでしょう。