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太宰治の晩年を事実も織り交ぜながらフィクションとして描いた映画が、2019年9月13日公開の「人間失格 太宰治と3人の女たち」です。

本作は過激なラブシーンがあるためR15+として公開されました。

数々の不倫や自殺未遂を起こした太宰治の人生と、その彼に関わった女性達の愛と悲しみを描いています。

主演は数々の映画に出演し海外にも活躍の場を広げている小栗旬

太宰の妻を演じるのは宮沢りえで、夫の行いに振り回されながらも3人の子どもを懸命に育てる母親を熱演しました。

太宰の浮気相手の太田静子には沢尻エリカが選ばれ、小説「斜陽」の制作に影響を与える静子の妖艶さを演じきっています。

そして三人目の女である山崎富栄には、活躍目覚ましい若手女優の二階堂ふみが選ばれました。

小栗演じる太宰との激しいラブシーンを体当たりで演じています。

本作の監督を務めたのは蜷川実花で、彼女にとって本作は映画「Diner ダイナー」に続くヒット作となりました。

脚本を担当したのは映画「紙の月」の早船歌江子です。

この記事では3人の女性が太宰を愛した理由と作中で真に狂気的なのは誰だったのか?

それらを富栄が感じた絶望に迫りながら考察します。

3人の女性が太宰を愛した理由

女性に対して野放図な太宰を3人の女性が愛した理由は何だったのでしょうか。

書くことへの真摯さ

太宰治全集 全10巻セット (ちくま文庫)

作中で太宰は不倫の理由を「書くため」と語っています。彼の行動は全て小説を書くことに集約していました。

そのためにはどれだけ周囲からろくでもない人間と思われても構わないと感じています。

太宰の担当である佐倉はそんな太宰を責めますが、太宰は逆に佐倉を突っぱねました。

太宰は自分の行いが最低であるとわかっていながら、書くために自分の全てを捧げます。

その純粋ともいえる思いに女性達は惹かれました。

弱々しい太宰

太宰治名作集

野放図かつ暴虐武人に振舞う太宰ですが、本質的には弱い人間です。

弱いからこそ酒や煙草、そして女性という快楽を求め続けたのが太宰の生涯でした。

女性達はそんな太宰の本質を見抜いていました。

自分がこの人の側にいてあげなければ、この人はますます駄目になると感じさせる弱さが太宰にはあります。

大作家の顔の裏に潜むその人間臭さが、太宰の女性から愛された部分です。

太宰の過去

グッド・バイ (新潮文庫)

映画の冒頭で太宰と心中しようとした女性が叫んだのは他の男の名前でした。この時の太宰は、その女性に裏切られた形になります。

太宰は最初の妻にも不倫をされ裏切られていました。