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【インディ・ジョーンズ/最後の聖戦】はスティーヴン・スピルバーグ監督によるインディ・ジョーンズシリーズ三作目にあたる作品です。
今回も第一作目のレイダースと同様キリストを巡る伝説の遺物がモチーフとして取り上げられています。
また悪玉としてナチスが位置づけられているのもレイダースと同じです。
この作品ではインディ・ジョーンズシリーズに関わる幾つかの謎解きも行われています。
インディの名前の由来や彼がなぜ蛇が苦手なのかも少年時代のエピソードとして描かれています。
そして何といっても今回の作品で最も特徴的なのはショーン・コネリー演じる父親の登場です。
騎士の正体
この物語では聖杯を巡って三人の騎士の関わりが語られます。
何と最後に残った騎士の一人は700年間も聖杯を守り続けたのです。
勿論現実的にはこのようなことが起こることはあり得ません。
しかし十字軍に従軍した騎士たちはキリスト教会の命で聖地に赴いたのです。
聖遺物を巡って何処かの騎士が何らかの役割を果たした可能性は否定できません。
騎士はなぜ聖杯を守り続けたのか
かの騎士は恐らく十字軍に従軍していた際何らかの啓示を神から授かったのです。
聖杯にたどり着くまでに待ち受ける三つの障害を設置したのも、神の力を借りた彼だったのかも知れません。
聖杯は守り続けられなくてはならず、騎士の最大のミッションの一つは自分の後継者を探すことだったのではないでしょうか。
後継者は欲に目がくらまない信仰心の篤い者でなくてはならず、そのためにあのような仕掛けが設けられたのです。
騎士は自分の意志で聖杯を守っていたのではなく、神によってそこに置かれた一つの装置のようなものだったともいえます。
最後に手を振る騎士
エルザの行為によって神の装置が働き遺跡は崩壊します。
崩壊する遺跡の向こうで聖杯を守り続けた騎士は憂いを込めて手を振るのです。
彼のこの行為は何を意味しているのでしょうか。
恐らく聖杯を次の後継者に託す彼のミッションはここで修了したのです。
聖杯は地中深く封印され、彼はもはや聖杯から命の水を飲むことは出来なくなります。
聖杯を守るために永遠の命を約束された彼も役目を終えて眠りにつくときが訪れたのです。
彼が手を振って別れを告げたのはインディたちだけではなく、自分自身の命や神そのものだったのではないでしょうか。
インディが聖杯を諦めたわけ
彼の一方の手は聖杯に触れたではありませんか。あと一歩で聖杯を手にすることが出来そうだったのです。
でも彼は父ヘンリーの「諦めなさい」の言葉に従いました。