愛する息子をひき殺され、その犯人がのうのうと生活しているのですから許せるはずがなかったのです。
やっとの思いでレオは復讐を果たせる状況までこぎ着けたにもかかわらず、彼はそれを実行に移すことはありませんでした。
彼の心の中では大変な葛藤があったはずです。彼の心の中に分け入ってみましょう。
エヴァとカリの影響
復讐心に燃えて周到な準備を重ね強い決意で街に出たレオでしたが、もともと彼の本性には困っている人を放っておけない部分があったのです。
武装集団に絡まれるエヴァとカリに遭遇した際、助けようかどうしようか逡巡する彼の姿がそれを表しています。
結局彼は二人を助けることにし、そのために様々なトラブルに巻き込まれることになりました。
彼は自分の体を張って心からカリの安全を守ろうとするエヴァや、復讐は結局何事も解決しないというカリの正論の影響を受けたのです。
一言でいえば二人の影響によってレオの人間性が目覚め、それが彼を殺人鬼にしなかったのでしょう。
リズの影響
リズは離婚寸前だったはずのパートナーのシェーンを殺されたことによって復讐心を抱きます。
レオはそのようなリズを一度は理解したように見えました。
しかしながら、レオはそのようなリズの中に自分自身の姿をも見たのではないでしょうか。
ここでレオは自分自身への客観視を得たのです。ウォーレン家に彼が押し入った際それが心の何処かに引っかかっていたはずです。
いざウォーレンと妻に襲いかかろうとしたレオをすんでの所で押しとどめた要因にこのリズの影響があったことは否定できません。
レオたちが暗闇で勝てたわけ
レオたちは富裕層の人間狩りの対象にされますが、何とかこの窮地を脱することができました。
ハンターたちは暗視ゴーグルと銃器で武装しており、レオたちは丸腰です。
レオたちはどのようにしてこの窮地を脱することができたのでしょうか。
もちろんレオが警官で格闘のスキルがあったことが大きな要因になっていました。
一方のハンターたちは金を持っているだけの一般人ですから、さほど格闘技に優れているわけではなかったのです。
レオは残りのメンバーに動かないように命じ、まずは自分一人で立ち向かいました。
これも成功の要因としてあったことでしょう。素人がチョロチョロしていては格好の餌食になるからです。
さらにレオが暗視ゴーグルを奪うことに成功したのが決定的な勝利の要因になりました。
これによってなし崩し的にハンターたちは逆にレオたちの餌食になっていったのです。
カルメロたちの戦い
物語の冒頭からカルメロたちはTVネットワークをハッキングして気勢を上げていました。
政府のパージ政策は当然のことながらカルメロたち反対勢力をも生み出していたのです。