神から釣り針を貰って半分神となった彼は、人々に島や作物などを与えてきました。
人々に生きるための物を与えてきた彼は感謝され、周りから賞賛の声を浴びたことでしょう。
生みの親から捨てられた過去を持つ彼にとって、人から必要とされるのは嬉しかったのかもしれません。
人々に好かれた経験をずっと残したい思いから、過去のできごとをタトゥーに残そうと考えたのではないでしょうか。
もう1人のマウイ
2つ目はタトゥーがもう1人のマウイである点です。
モアナから見たマウイはお調子者で自分勝手な印象を持たれやすい人物。
しかし、モアナを洞穴に閉じ込めて海に出ようとすると、自身の姿が描かれたタトゥーが止めに入りました。
タトゥーはマウイの発言や行動に対して様々な反応をしており、彼の悪い動きに反抗的な態度を見せます。
人間を助けていた頃の優しい彼の心を現していると考えられないでしょうか。
長年1人で島に居続けた彼の心境を考えると、寂しさのあまりもう1人の自分を生み出してしまったのかもしれません。
作品が訴えたいこと
海に選ばれた少女と英雄を目指す青年の航海を描く『モアナと伝説の海』は、視聴者に何を訴えたいのでしょうか。
考えられる要素は2点です。
視野は広げるべき
物語の最初、モアナはモトゥヌイ島の「珊瑚礁を超えてはいけない」掟に縛られていました。
トゥイは過去のトラウマを理由に島での暮らしが良いと彼女に訴え続けます。
訴え続ける流れはまるで意識の刷り込みです。
考えを1つだけに固執するのは、視野が狭くなりやすくなってしまいます。
島での暮らしは固執した考えを現す場面ではないでしょうか。
無謀な挑戦は時に大事である
モアナはタラが亡くなってから海に飛び出します。海に出た経験がなく航海術を学んでいない。
海の怖さを知らないモアナが無謀に飛び出すのは愚かに見えますが、高い行動力です。
アニメに限らず現実でも高い行動力は人生が成功するカギになります。
島に帰ってきたモアナが航海中に学んだ技術を島民に教える様子は、村の中心人物の1人になったといえるでしょう。
まとめ
海に選ばれたモアナと世界を闇に包んだ原因のマウイが世界を救う『モアナと伝説の海』。
価値観が固定された島から出ていくモアナの姿は、現実に通ずるものがあります。
閉ざされた環境で苦しむ方が見た時は何か感じるのではないかと思われる作品です。