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アクションやサバイバル映画で高評価を得ているピーター・バーグ氏が監督を務める「ハンコック」。
人助けをしながらも「破壊魔」として悪名高かった彼が、同じく人助けをしているだけでも「真の英雄」として人々から求められ、称えられたのはなぜでしょう。
そんな人物「ハンコック」の行動から「真の英雄とは何か」を徹底解説し、さらに映画「ハンコック」の中で、彼の「永遠に失うもの」を徹底解説します。
豪華キャストのハンコック
映画「ハンコック」は超人気俳優のウィル・スミスを嫌われ者役として設定しています。
共演者もゴールデングローブ賞を何度も受賞しているシャーリーズ・セロンに、話題作となったズートピアの英語版声優も担当しているジェイソン・ベイトマンと、豪華キャストが並んでいます。
称えられない英雄
ハンコックは鋼の肉体をもち、市民を助ける「嫌われ者のヒーロー」です。その理由を、彼の行動から考えていきましょう。
酒臭い
四六時中アルコールを飲みウイスキーの瓶を欠かさず持つ彼は、街の子どもや女性から「酔っぱらいのクズ」として嫌厭されています。
公共の場所で寝転んで酒を飲んでいれば、ホームレスと勘違いされても仕方がありません。
MeToo運動が起こる中で、セクハラするシーンも1度ですが描かれており、かなりのクズとして描きたかった監督の意図も感じられます。
破壊魔
ハンコックはその怪力ゆえに自動車を塔へ突き刺したり、空を飛び着地の度に道路を壊したりします。
列車事故を防いだときには、ただ列車を止めただけなのに前部は壊れ後部車両は脱輪転倒する大事故となってしまいます。
ハンコックが関わると命は助かり犯人は確実に逮捕できるものの、ハンコックの関わらない方が被害額は少なく済むというところが皮肉なところです。
ただしこの器物損壊でハンコックが責められるのは、誰もがもつ破壊衝動をハンコックだけは体現できそれが許されているという、羨ましさに由来する妬みでしょう。
法律破り
ハンコックは法律を守りません。
器物損壊罪はもちろん、出廷令状が届いても無視し続けます。
理由はのちに明かされる通り「ハンコックが不老不死で、法律の方があとに作られているから」なのですが、市民はそんな事情を知りません。
自分たちのように規律や法律に従うのがマナーだと考えている市民はハンコックを責めます。
それは、自分たちもルールを破って何ものにも囚われず行動したいという思いがあるからでしょう。
また、法律を守って人を救えないのであれば、ハンコックにとっては本末転倒です。