絶対王者であった周防の目は見えなくなりつつあり、引退せざる負えない状態になります。
まさにこの歌が示す人生を周防は送るのです。
しかしこの歌の解釈には続きがあります。
時の流れには誰も逆らえないけど、この歌は1000年先に届いた。君たちは一瞬を永遠に止める力がある。
引用:ちはやふる 結び/配給会社:東宝
上記は周防が講演した際にいったセリフです。
この「花の色は」の存在自体は周防の実績であり、瑞沢かるた部でもあります。
歌が1000年もの間受け継がれてきたように、人の強い想いはこれから先も受け継がれていくものなのです。
日本一になろう!瑞沢かるた部がこれからもずっと続いていくように。
来年も、再来年も、千年先も!
引用:ちはやふる 結び/配給会社:東宝
千早の想いはラストシーンに繋がり、千早が瑞沢かるた部の顧問になったことは受け継がれていく瑞沢かるた部を示しています。
受け継がれる想いこそ作品のテーマ
「ちはやふる 結び」は千早の想いが後輩たちに受け継がれ、自身の夢がかなった所で幕を下ろします。
周防がいったように、想いを受け継ぎ永遠という形で繫ぐことが出来ました。
百人一首が1000年以上続くように、人の想いが受け継がれることの素晴らしさを実感出来る映画です。
新の告白に返事をしなかった理由
最後のシーンで千早は新に告白の返事をするかと思いきや、もっと強くなりたい!と伝えました。
しかし告白の返事をしなかったのには、ちゃんとした理由があります。
かるたで世界一になりたい想い
新の返事で、私はもっと強くなりたい!と告白の返事とは思えないような答えをしました。
これは新を振ったという訳ではなく、単純にかるたへの想いが強い事を象徴しています。
そして千早は、この思いを最終決戦で戦った新ならばきっと理解してくれると思ったからこそ伝えたのです。
YesでもNoでもない答えだけど決して曖昧ではない力強い返事に、新もとても納得した顔をしていました。
見守っていてほしい
新に「もっと強くなりたい」と宣言する様子から、これからも良きライバルで居てほしいという意味も汲み取れます。
新も、太一に負けたままで好きな子には顔向けできないという事で2人はこれからもお互いに高め合っていくことでしょう。
千早と新、太一の三角関係はどう決着がつくのか観る者の判断に任せるラストシーンでした。
歌を知れば「ちはやふる」の印象が変わる
かるたで読まれた歌の意味が分かると、物語も味わい深くなったのではないでしょうか。
1000年前の人達が詠った歌が現代の私達の心にも響く、共感出来る事は本当に感慨深いです。
フィクション映画とはいえかるたはノンフィクションであり、心に響くシーンが多いのも頷けます。
歌を深く理解した上で映画を観なおしてみると、また違った観方が出来るかもしれません。