そしてイヴを衝動的な死へ駆り立てたのは皮肉にも娘の言葉でした。
最も母イヴを求めた娘が引き金を引いた
イヴはジョーイの言葉を聞いて海へ身を投げました。
ジョーイは本当に母親を罵倒したかったのでしょうか。
ジョーイは母を求めていた
イヴから目をかけられずに育ったジョーイですが、イヴに認められたいという気持ちを誰よりも強く抱いています。
誰よりもイヴを求めていたのです。
あなたはママを煙たがっていた罪悪感から尽くしているだけ
引用:インテリア/配給会社:ユナイテッド・アーティスツ
入院中の母の面倒をみるジョーイにレナータの言ったセリフです。
このセリフはジョーイの胸に刺さりますが、本当にそうなのでしょうか。
レナータは必要以上に父親に可愛がられているジョーイを、妬ましく思っています。
上記のセリフは、ジョーイを苦しませる為の言い分とも取れます。
確かに母に苦しめられていたことは事実ですが、子は無条件に母に愛されたいと願うものです。
ジョーイがは母イヴに尽くしていたのは、罪悪感だけではなく愛されたいという心情の表れではないでしょうか。
母イヴを愛しているからパールを受け入れられない
パールはイヴと正反対の人物です。
真っ赤なルージュに赤いドレスがパールの明るさ、おおらかさを強調しています。
おおらかなパールは理想の母親像といっても過言ではありませんが、ジョーイは嫌悪感を露わにしていました。
自分の母親はイヴでなければダメなのです。
ジョーイは母親に対して嫌いな部分も沢山持っていましたが、それ以上に愛を持っていたのです。
イヴに伝えたい言葉は違っていた
ママはこの世で生きるには完璧すぎた
ママは病気なだけじゃない、本当は心が歪んでいるの
引用:インテリア/配給会社:ユナイテッド・アーティスツ
お酒に酔い、ストレスを溜めていたジョーイは母親に気持ちをぶつけてしまいます。
普通の親なら子供の不満を受け止めることが出来ますが、イヴにはそんな余裕がありませんでした。
すでにボロボロになっていた心は、愛する娘の言葉で崩壊してしまったのでしょう。
それでも愛している
引用:インテリア/配給会社:ユナイテッド・アーティスツ
ジョーイの言葉は続くはずでした。
この言葉を聞く前に外へ飛び出してしまったイヴには、娘の愛が届くことはなかったのです。
精神を病んでいたのはイヴだけではない
物語の核となるのは、女流詩人レナータ、作家ジョーイ、女優フリンの美しい三姉妹です。
母親イヴの精神疾患が的になりますが、精神を病んでいたのは彼女だけではありません。
イヴに似たレナータ
レナータはイヴに愛されアーサーからも一目置かれています。
三姉妹の中で最もイヴに近い存在といえるでしょう。
しかし彼女は人知れず書けない苦しみに苛まれ無気力に襲われています。
そして死の強迫観念を振り切れなくなっていました。
周りが皆敵に見え自分が世界で1人取り残された気分に陥った彼女は、ついに体にも異変を感じ始めています。