さらに映画では麻美の恋人である富田誠が退院しプラネタリウムで再会する設定となっていますが、小説では麻美はLINEで富田からプロポーズを受けています。
なぜここまで戦慄させられるのか
「スマホを落としただけなのに」はなぜここまで戦慄させられる映画なのでしょうか。
誰にでも起こり得る問題がテーマ
日常生活に欠かせないスマホというあまりにも身近なアイテムから大事件に発展するという恐ろしいストーリー展開が戦慄させられる理由の一つといえます。
ほとんどの人が持っているスマホですが、一歩間違えると予測できないトラブルに直面してしまう可能性が誰にでもあります。
スマホが原因で自分にも実際に起こり得るトラブルがテーマとなっているため、他人事として観ることができないはずです。
些細な注意不足が引き起こす大きな事件
「スマホを落としただけなのに」というタイトルからも分かるように「スマホを落としただけ」で「スマホをタクシーに置き忘れただけ」でという些細な注意不足から生まれる設定が現実味を帯びています。
スマホを手放すと映画のストーリーと同じような事件に巻き込まれてしまうのではないかという不安が、より一層恐怖心を煽るのではないでしょうか。
戦慄さに輪をかける演出
映画「スマホを落としただけなのに」は「リング」などのホラー映画を手がけた中田秀夫監督がメガホンを取っています。
日本ホラー映画を多数手がけた中田秀夫監督による戦慄さに輪をかける演出は観ている人をハラハラさせることでしょう。
観ている人を不安にさせるBGMや効果音もより一層戦慄感を上昇させる要因となっています。
登場人物のキャラクター
「スマホを落としただけなのに」が戦慄的な映画である理由として登場人物のキャラクターや演じる俳優の表現力も挙げられます。
稲葉麻美:北川景子
映画の主人公である稲葉麻美は犯人がターゲットとしている「黒髪のストレートヘア」が印象的な美しい女性です。
普通に働き麻美のことを真剣に考えている彼氏もいますが、過去や家族のことを聞かれると口を閉ざしてしまうため何かしらの闇を抱えています。
この主人公は黒髪のストレートヘアが似合う北川景子が演じています。
映画の終盤で犯人に手首と足首を縛られているシーンで恐怖から叫ぶ場面がありますが、その怖さが観ている側にもひしひしと伝わってきます。
犯人:成田凌
スマホをタクシーで拾い稲葉麻美にターゲットを絞る犯人役は成田凌が演じています。
幼少期に経験した母親の冷たい態度に対するトラウマを抱え連続殺人を犯す闇の部分と、ネットトラブルを解決する好青年の両極端な役どころを見事に表現しています。
一見すると普通の明るい大人が実は狂気的な殺人犯であるという二面性を描いており、人は見た目では分からないというような怖さが感じられます。
麻美のスマホトラブルを解決し、麻美が睡眠薬によって意識を失うシーンでの成田凌の顔の表情や演技は恐怖以外の何者でもありません。