「シュレック2」のネタバレになってしまいますが、母親はフィオナにハンサムなチャーミング王子が助けに来ると言い聞かせていました。
これはフィオナに人間になって欲しいからともとれる言動です。
父親がカエルなのは「カエルの王様」が元ネタ
フィオナの父親である王様ですが、元々カエルだったのか、元は人間だったのか明確には語られていません。
ストーリーの元ネタは「カエルの王様」であり、元ネタの通りならば王様は本来人間だったことになります。
しかし続編でフェアリー・ゴッドマザーの魔法が消えた時、カエルの姿に戻っていることから、王様は元々カエルだったことが判明しました。
童話にひねりを加えた、にくい設定です。
「シュレック」のハッピーエンドは、綺麗にまとまって終わるという一般的なものではなく、人間の真意である奥深くの心に迫る結末です。
ディズニーアニメのような夢見るラストシーンからはかけ離れたものが多いですね。
だからこそ大人のアニメ、子供の大人心に訴える作品なのでしょう。
フィオナの伏線
「シュレック」はおとぎ話を取り込んで面白おかしく物語を綴っていますが、よく見ていくと実は残虐なシーンも含まれています。
その残虐的なシーンこそ、フィオナが怪物である伏線といえるのではないでしょうか。
フィオナの残虐性が伏線となっている
劇中のフィオナは、蛇を風船のように大きくふくらましています。
また、衝撃的なのは小鳥と歌を歌い小鳥を破裂させているシーンです。
アニメの映像だから面白おかしく観ることが出来ますが、実写化されたらかなり残酷に映るはずです。
しかし、このフィオナの無邪気な残虐性こそが、彼女が怪物である伏線となっているのです。
もしも、本来の姿が美しく可憐な王女様だったら、小鳥を破裂させることはないでしょう。
フィオナの深い緑色のドレス
フィオナは深い緑色のドレスを身にまとっています。この緑という色には深い意味が隠されています。
緑色は自然の木々を示す色であり若さを象徴する色でもあります。
しかしフィオナの身に着けているドレスは少々ダーク系の緑色、これは恐怖や醜さを意味する色でもあるのです。
ディズニーのディランやMUCのハルク、そしてシュレックも深い緑色です。
更に緑色は移ろいゆく自然のような二面性を表現しているともいわれています。
フィオナの着るドレスは綺麗なピンク色や、ディズニープリンセスのような淡いブルーのドレスではありません。
このことも、フィオナが怪物になることへの伏線となっています。
おとぎ話を忠実に再現している
「シュレック」に見る残忍さは、おとぎ話本来の姿といえます。
近年はおとぎ話をアニメ化すると、ほとんどの残虐性はカットされています。
しかし「シュレック」ではさりげなくおとぎ話本来の残虐性を取り入れています。
ラストシーンで、ファークアード卿がドラゴンに食べられてしまうシーンもディズニーアニメでは考えられない結末ですね。