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【ムーラン・ルージュ(ネタバレ)】愛と引き換えに命を落とすラストは何を意味するのか徹底解説!ギリシャ神話が基になった?

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B008YBCWW6/cinema-notes-22

2001年のハリウッド映画「ムーラン・ルージュ」はニコール・キッドマンとユアン・マクレガーの歌唱力が話題になったミュージカル映画です。

悲恋の純愛物語として多くの人の心を打ちましたが、愛を手に入れながらも死んでしまうラストシーンにフォーカスをあて、ことの真相を読み解いていきます。

「ムーラン・ルージュ」の元になった神話を深く考察していきましょう。

実在するキャバレーが舞台

ムーラン・ルージュ

映画の舞台となったのは19世紀末のフランス、モンマルトルのキャバレーです。

ムーラン・ルージュという名のキャバレーは、実在した店で現在ではフランスの観光名所として高い人気を誇っています。

赤い風車を意味するムーラン・ルージュ

実在のキャバレー「ムーラン・ルージュ」は1889年にパリに産声を上げました。

映画でも象徴的な描かれ方をしていた赤い風車が、そのまま店の名前に付けられたのです。

屋根の上にある赤い風車が有名で、店名のムーラン・ルージュとは赤い風車という意味をもち、メインはフレンチカンカンで歌や踊りと連日豪華なショーが繰り広げられています。

まさに劇中の世界そのものですね。

ロートレックの絵

絵画風 壁紙ポスター

本劇中にも登場しているトゥールーズ=ロートレックは実在する画家で、実際にムーラン・ルージュに通う常連でした。

ロートレックはムーラン・ルージュの絵を生き生きと描いています。

劇中にも語られているように、19世紀のダンサーは高級娼婦や役者を目指す女性が多かったようです。

ギリシャ神話が基になった作品

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「ムーラン・ルージュ」の監督であるバズ・ラーマンは脚本家のクレイブ・ピアーズとギリシャ神話を元ネタにストーリーを組み立ていきました。

ギリシャ神話オルフェウスが元ネタ

本作品の元ネタになったのはギリシャ神話のオルフェウス物語です。

オルフェウスはアポロンの息子であり琴の名手です。

下級女神の妻エウリュディケーが毒蛇に噛まれて死んでしまった為、冥界のハデスに妻の蘇りを願い出ます。

振り返らないという条件で、妻を連れ帰ることを承諾されましたが、地上に出る直前に振り返ってしまい妻が黄泉の国へ引き戻されてしまうという悲しい結末の神話です。

サティーンをあきらめきらず、どこまでも追い続けるクリスチャンの姿は、まさにオルフェウスそのものです。

椿姫のマリー・デュプレシがモデル?

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一説ではオペラ「椿姫」も参考にしたといわれています。

椿姫は高級娼婦のヴォレッタが青年貴族アルフレードに愛される話です。

ヴォレッタとアルフレードは恋におち、彼女のパトロンである男爵に嫉妬心を抱かせます。

結核に侵されている彼女はアルフレードを思い彼の元を去りますが、真実を知ったアルフレードが彼女の元へ戻り、その腕の中でヴォレッタは息を引き取ります。

ストーリーはまさにムーラン・ルージュですね。

そしてこの椿姫のモデルになったのが、1840年代にフランスを虜にした高級娼婦マリー・デュプレシです。

マリー・デュプレシも23歳という若さで肺結核に侵され命を落としました。

ラストシーンが意味するもの

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劇中では、クリスチャンとの愛を確認したサティーンが肺結核の為に彼の腕の中で息を引き取ります。

この結末が物語るものは一体何でしょう。

コントロール不可能な人生を乗り切るか否か

「ムーラン・ルージュ」の元になったオルフェウス神話では、自分のコントロールできない不幸(妻の死・蘇りの失敗)に直面した時に乗り切れるか否かを明確に表示しています。

オルフェウスは妻の死から立ち直ることが出来ずに、しまいには嫉妬した女性達に八つ裂きにされてしまいます。

劇中でクリスチャンは二人の愛の物語を執筆し完成させて幕を閉じています。

その後クリスチャンはどう生きたのでしょうか。神話と同じ道を進むなら命を絶ち愛する人と黄泉の国で結ばれることになります。

それともサティーンとの愛を胸に生き続けたのでしょうか。観るものに委ねられる結末です。

生きることや愛することの素晴らしさ

ムーランルージュボール - パリ、フランス - ダンサー - ヴィンテージキャバレーカジノポスター によって作成された ルネ・グリュオ c.1960s - アートポスター - 23cm x 31cm

劇中では下記のセリフがキーワードになっています。

生きるって素晴らしい。あなたと分かち合うこの世界。

引用:ムーラン・ルージュ/配給会社:20世紀フォックス

本当の愛を知らずに生きてきたサティーンが、真実の愛を知り生きていると実感していく姿も見どころのひとつです。

人間は限りある時間の中を生きています。その限られた中でどう生きるか愛し愛されることの素晴らしさを感じさせてくれます。

サティーンが結核で命を落としたからこそ、限られた時間をどう生きるかというメッセージが浮かび上がってきます。

ヒロインの死は作品に強いメッセージ性と重みを与えました。

なぜサティーンは結核の設定だったのかを深読み

【映画チラシ】ムーラン・ルージュ 2種 ニコール・キッドマン ユアン・マクレガー

結核という病気は現代にも影を落とす病気です。しかしなぜサティーンは癌などの病気ではなく結核だったのでしょう。

時代背景

結核はかつて白いペストと呼ばれ、不治の病とされていました。

「ムーラン・ルージュ」の舞台となった19世紀も結核は世界中で猛威を振るい恐れられていたのです。

この時代の悲恋物語には結核が多く登場しています。

肺結核は美しい展開とされていた時代

「ムーラン・ルージュ」はクリスチャンが代表するようにボヘミアン革命の真っただ中です。

自由奔放な生きかたを追い求めるボヘミアンですが、このボヘミアン革命が起きる前の物語では肺結核による死は美しい設定であると相場が決まっていました。

2001年に監督が、当時の風潮を蘇らせたのかもしれません。

ボヘミアンであるクリスチャンは結核に気が付かなかった

それまで小説で頻繁に用いられてきた肺結核という展開は、ボヘミアン革命が起こると途端に使われなくなります。

クリスチャンは近くにいたにも関わらず、サティーンの病気に気が付きませんでしたが、彼が結核の症状を詳しく理解していなかった可能性が挙げられます。

もしクリスチャンがボヘミアンな生き方をしていない作家だったら、結核について詳しい知識を持っていたかもしれません。

肺結核という病気

サティーンが命を落とした結核とは「結核菌」が引き起こす病気です。

結核菌は主に肺に炎症を引き起こし組織を腐らせます。菌が増えるとやがて高級を困難にしたり内臓の機能をマヒさせてしまう怖い病気です。

他感染があり、映画のように隔離されないというのは現実では考えられません

なぜサティーンは愛を選んだのか

Moulin Rouge

本編では当初お金が何よりも大切だといっているサティーンが登場します。

彼女は次第にお金より大切なものは「愛」であると考えを変えていきます。

実はお金をとるか愛をとるかというのは、世界中の女性間で幾度も議論され答えが見つからない話題です。

お金があれば幸せという考え方と、愛があれば幸せという考えに二分しています。

劇中のサティーンは、娼婦としていき「愛」を知らない女性でした。自分が愛されているということを知り人を愛することを知りました。

美しい宝石に囲まれたサティーンにとって、お金は空虚なものに映ったのかも知れません。愛されることで自分の存在を実感できたのでしょう。

劇中では、死を目前した時に人は「愛」を叫ぶものだと強く投げかけています。

華やかな悲恋が物語る真実の愛

ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック

「ムーラン・ルージュ」はこれでもかというほど華やかな、そして夢幻の世界を舞台に繰り広げられています。

現実ではない舞台、サティーンは娼婦という空虚な人生の中に「愛」という真実を見つけます。

愛に生きた男女の悲恋のストーリーは、生きて人を愛せることがどんなに素晴らしいかを教えてくれる作品です。

狂おしいほどの愛とは何か、サティーンとクリスチャン双方の立場に立って何度も観返したい映画です。