彼女が40歳というキャリアの節目に立ち、仕事も恋人も奪われてしまうという不安が渦巻いています。
マーゴは気が強いけれど一途で不器用なところが好感を呼んでいるようです。
仕事をやめたら何も残らないこと
車のなかでマーゴがカレンにもらした思いは、偉大なキャリアを築いてきたマーゴの本心からの苦悩でした。
若さと女らしさをキャリアのために捨ててきた、だからいざ女に戻ろうとしても戻れない。
だけど仕事を失いいつかは女に戻るときがくる
引用:イヴの総て/配給会社:20世紀フォックス
彼女は、いつか自分は引退するものだとわかっていたのです。
しかし引退したら自分には何も残っていないと漏らしています。
ふつうの女性になって恋人を愛するという選択
多くのものを手中にした彼女でしたが、彼女が最後に求めていたのは恋人とともに過ごすことでした。
マーゴは愛する人を一途に想う可憐さを隠し持っていました。
女優として成功するために、多くのものを失って来たはずです。
ビルとの結婚が決まったときのはしゃいだ彼女こそが、本来の彼女の姿だったのではないでしょうか。
野心に生きたイヴの姿
この映画のオープニングは授賞式ではじまり、授賞式でおわりますが、野心で上り詰めたイヴは、幸せといえるのでしょうか。
イヴは人を陥れる策略を立てていた
カレンに出会う前から、イヴの計画ははじまっていたのでしょう。
- ヘンテコな帽子をかぶって自分を印象付けた
- 度数の高いお酒でマーゴの印象を悪くした
など、彼女は自分を高める為に他人を下へ突き落していきます。
マーゴが下へ落ちていくのと対照的に、イヴの株は上がるのです。
計画は成功し野望は果たされた
イヴはマーゴ抜きでオーディションをして賞賛を受け、ライバルになり得る美しい新人をも陥れています。
彼女の野望は実現されましたが、彼女は本物の幸せを手にしたのでしょうか。
彼女は名声を欲し、まぶしいスポットライトばかり見上げ自分の足元が見えていません。
自分がどれだけ危うい場所に立っているか気づいていないのです。
彼女には信頼できる友人はいないのでしょう。
イヴの未来は闇?
損得勘定で手を組むだけの関係しかもたないイヴは、人生の転換期に誰を頼りにするのでしょう。
賞だけがすべてじゃない、心も大事にしなさい
引用:イヴの総て/配給会社:20世紀フォックス
マーゴは授賞式のさいごにイヴに伝えました。
もしイヴが心を入れ替えることが出来なかったら、マーゴのように愛によって救われることはないのかもしれません。
やはりイヴはマーゴにかなわないということでしょうか。
因果応報なカレンの恐怖
カレンは献身的に夫を支える良き妻であり、野心に生きた人物ではありません。
因果応報となった恐怖
カレンはマーゴを裏切りイヴに加担します。
マーゴの日々の態度をみれば仕方のないことなのかもしれませんが……。
しかし彼女のこの軽率な態度が、後で自分の首を絞めることになっています。
カレンが示しているのは、人の本質を見抜けない女性です。
イヴは確かに悪女です、しかしそんな彼女を作り上げたのはカレンでもあるのです。
自分の立場を壊されるという恐怖
彼女には突出した才能はありません。