出ていくことが喜びとなればいい、という願いを汲み取れば、exitを別の意味で捉えることが、あの場においては可能です。

「exit=出ていく」とはすなわち「人生からの離脱」を表したのではないでしょうか。

「戻りたくない」という言葉の真意

たびたび私たちは「もしもあの時からやり直せるなら」と思うことがあります。

彼女もきっと例外ではなく、事故に遭ったばかりの頃は、あの時あのバスに乗らなければ、などと思ったのではないでしょうか。

しかし、多くの耐え難い出来事に苛まれた彼女も、映画のラストシーンでもある最期の際に「戻りたくない」という言葉を遺して逝きました

フリーダの最期

フリーダ・カーロ:痛みこそ、わが真実 (「知の再発見」双書)
足の指を壊疽のため切断することになり、体調も悪くなりました。

ですがこの時、個展も成功させ、人生で最も深く愛した男が近くにいる状況でした。

人生のexitを迎えるならこの瞬間だと思ったのでしょう。

戻りたくない、というのは交互にやってくる苦難、またはこれからさらに苦難を乗り越えた先に喜びを求めることについてを語っていたはずです。

最期の時を過ごしたベッドの上では、彼女は幸福だったのでしょう。

そして、これまで何度もこなしてきた苦難には「戻りたくない」、「出口」は喜びに満ちている方が良いと語ったのです。

障がいを負いながら43歳まで彼女は生を貫きました。急速な流れの中で生きてきた彼女からすれば大往生だったはずです。

フリーダの描いた未来

フリーダ・カーロ―太陽を切りとった画家
フリーダは、思い描いていた未来を自ら手に入れています。

彼女は事故後、画家としての自立を目指していました。その未来は確実に掴めていました。

フリーダは結局のところ、常に苦難に苛まれる人生でしたが、その中で自分ができることを為して最善を尽くしてきました。

状況を受け入れ最大限の力を発揮した結果が彼女の評価へと繋がっていったのです。

フリーダだけが生きることのできた、フリーダだけの人生

フリーダ 切り絵でつむぐ9つの物語
見る人から見れば、フリーダは可哀そうな人、となるでしょう。

障がいで痛みに襲われ、女性として子をなすこともできず、愛する男に常に愛されたわけでもなく、周囲の状況に巻き込まれてばかりでした。

ただし彼女は、先述した通り、その苦難から何度も果敢に立ち上がりました

そんな彼女だからこそ描ける絵があり、生き抜けた人生があったのでしょう。

フリーダにとって未来は、思い描いたその先で自ら掴みとるものだったのです。

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