大学生5人組がキャンピングカーで森に遊びにゆくという基本設定もホラー映画の定番。

森に入る前に寂れたガソリンスタンドで不気味な男が出てくるのも、これからの惨劇を予兆させるホラー映画のありがちな仕掛けです。

一致団結というホラー映画の最たるタブー

山小屋の地下室で古い日記を見つけたヒロインがラテン語の呪文を唱えると死人たちが甦るというのもゾンビ映画のお約束です。

ラテン語というのがツボであり、アメリカではオカルトとラテン語が常に堅く結びつけられています。

ジュールズとカートが山中で愛し合っている最中にゾンビに襲われるのも、『13日の金曜日』の大昔からあるお決まりの演出です。

その後、ゾンビたちが他のメンバーがいる山小屋を襲うのも同様。

途中からカートは一致団結してピンチを乗り切ろうと言い出します。これにその様子を見守る闇組織の科学者たちが大騒ぎしたのには笑えます。

勝手気ままな個人行動で1人ずつ殺されてゆくのがホラー映画の鉄則ゆえに、その発想はタブーなのです。

まもなくカートは組織の洗脳テクによってその考えをすぐに変えられてしまいました。

オマージュにあふれたホラー映画人気キャラ総出シーン

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終盤、闇組織に潜り込んだデイナとマーティは、不気味なモンスターが入った無数のガラスの小部屋を発見します。

ちなみにこれは映画『キューブ』へのオマージュです。

デイナが小部屋のロックを解除したことで、ホラー映画の人気モンスターたちが一気になだれこんできます。

そこからのオマージュにあふれた一連のシーンは、ホラー映画マニアにとって至福のときといえるでしょう。

顔に穴の開いた少女は『くるみ割り人形』のシュガープラムの精をアレンジしたもの。

他にも『シャイニング』のふたごの姉妹や『大アマゾンの半漁人』の半漁人も出てきます。

この総出シーン以外で最も印象的なモンスターはやはりゾンビです。

これはホラー映画の金字塔『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』のゾンビをそのまま模倣しています。

日本人として一番気になるのは、闇組織の京都支部にあるモニター画面で出てくる女の子のお化けです。

正式名はKIKOというそうで、貞子などJホラーの少女妖怪のパロディなのだそうです。

闇組織の科学者たちの狙い

物語の核心には、大勢の科学者たちが集う闇組織があります。

それは人類を救済するために若い生贄を「古き者」と呼ばれる悪魔に捧げることを目的としています。

しかし、深読みすればそこには別の意味も読み取れるのです。

理解しがたい組織の活動内容

2013年映画パンフレット キャビン CABIN ドリュー・ゴダード監督 クリスティン・コノリー クリス・ヘムズワース

闇組織が具体的にやっていることは不可解極まります

彼らは若い5人組をピックアップして自然豊かな実験場に行かせ、ホラー映画の典型的なシナリオに従うように操作します。

しかもそれはアメリカ・京都・ブエノスアイレスと世界規模で実行されています。

最後に処女が1人生き残ることが勝利のサイン。それで「古き者」を満足させて人類滅亡を防いでいるというのが組織の活動概要です。

一見、B級映画のおバカ設定にしか見えませんが、この闇組織は1つのメタファーになっているのです。

腐敗したホラー映画業界

闇組織はヒット目的で同じようなホラー映画ばかりを作る腐敗した映画業界だとも見れます。

そうなれば人類を破滅させる「古き者」とは同じ映画ばかりをを好む一般の映画鑑賞者だといえます。

一方で、作中では日本の闇組織がアメリカをしのぐ存在だとみなされています。

それもJホラーというジャンルができるほど、日本でも同じようなホラー映画が量産されていることへの皮肉でしょう。

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